事業資金が急ぎで欲しい!調達方法や注意点などを解説
売上の減少や売掛金の入金遅れなどで、資金繰りが急に苦しくなることもあるでしょう。そんなときに頼れる資金調達方法として、ファクタリング、手形割引、ビジネスローン、不動産担保ローンなどがあります。
ただし、自社にはどれが向いているか判断に迷う方も多く、急いで動くとリスクや注意点を見落としてしまいかねません。
この記事では、スピード感・金利・借入可能額といった視点から、急ぎの資金調達に向いている方法を紹介しています。調達時の注意点や融資可能額の計算方法も解説しているため、ぜひ一読ください。
事業資金を急ぎで調達する方法:資産売却編
急に資金が必要になったとき、これから入ってくる予定のお金を前倒しで現金化する方法があります。ここでは、即日〜数日で資金を得られる可能性が高い方法を紹介します。
ファクタリング(2社間)
ファクタリングとは、売掛金(取引先に対して請求できる未回収のお金)をファクタリング会社に買い取ってもらい、早めに現金化する方法です。借入とは違い、債権(相手にお金を請求できる権利)の売却という扱いになるため、信用情報に影響を与えない点がメリットです。
2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の間だけで契約を行う方法です。取引先には知られずに資金を調達できるため、関係性を気にせず利用しやすいのが特徴です。申し込みから入金までのスピードも速く、最短即日で資金を受け取れる可能性があります。
ただし、ファクタリング会社は取引先に確認ができない分、リスクを取ることになるため、売掛先の信用力が重視されます。手数料も8〜18%とやや高めに設定されています。担保や保証人は不要ですが、コストとのバランスをよく見極めて利用することが大切です。
ファクタリング(3社間)
3社間ファクタリングは、自社・ファクタリング会社・売掛先の3者間で契約を結ぶ方法です。取引先に「売掛金はファクタリング会社に支払ってください」と通知し、ファクタリング会社が直接お金を回収する仕組みです。
未回収リスクが少ない分、手数料は2〜9%と比較的低めとなっています。コストを抑えて資金調達ができるのがメリットです。
ただし、売掛先の同意が必要なため、2社間ファクタリングと比較すると時間がかかる傾向にあり、即日入金が難しいケースもあります。信頼できる取引先がいる場合には、有効な資金調達手段として活用できるでしょう。
手形割引
手形割引とは、取引先から受け取った約束手形を、支払期日よりも前に銀行などに持ち込んで現金化する方法です。手形の支払いは通常2〜4か月先になることが多く、その間に資金が必要になった場合に活用できます。
銀行などの金融機関は、手形の信用度を確認したうえで、所定の手数料(おおよそ2〜15%)を差し引いた金額を即日または数日以内に支払ってくれます。支払期日になると、銀行が取引先から手形の金額を回収する仕組みです。
ただし、万が一振出人が支払い不能となってしまった場合、割引依頼人がその手形を買い戻す請求がなされる点には注意が必要です。利用前には、取引先の信用状態をよく確認しておきましょう。
また、紙の手形は2026年度末までの利用廃止に向けた取り組みがあり、将来的に資金調達方法として使えなくなる可能性があります。中小企業にとって、手形は資金繰りの負担になることが多いため、今後はよりスピーディーで安全な電子記録債権などの仕組みが広がっていくことが予想されます。
事業資金を急ぎで調達する方法:融資編
融資は返済義務があるものの、短期間でまとまった資金を確保できるのがメリットです。ここでは、急ぎの資金調達に向いている5つの融資方法、ビジネスローン、売掛債権担保融資(ABL)、信用保証付き融資、不動産担保ローン、プロパー融資を紹介します。
ビジネスローン
ビジネスローンは、個人事業主や中小企業向けに提供されている無担保の融資です。銀行やノンバンクなどで取り扱っています。
ビジネスローンは、事業目的での利用が条件で、仕入れや設備投資、運転資金など、幅広い用途に対応できます。ただし、生活費など私的な目的には使えません。
主な条件は以下のとおりです。
- 融資額:50~1,000万円程度(事業規模や信用状況により1,000万円以上の上限)
- 返済期間:1~10年ほど
- 金利:年2.5~18%前後
- 担保・保証人:原則不要
銀行系のビジネスローンは金利が低めですが、審査が厳しく融資までにやや時間がかかる傾向があります。一方、ノンバンク系はスピード重視で、早ければ申し込みから2日ほどで資金を受け取れる場合もあります。
急ぎで資金が必要な方にはとくに向いていますが、金利が高くなることもあるため、無理のない返済計画を立ててから申し込むことが大切です。
売掛債権担保融資(ABL)
売掛債権担保融資(ABL)は、自社が保有する売掛金を担保にして、金融機関から融資を受ける方法です。将来入る予定のお金を、先に資金として活用できる点が特徴で、ファクタリングと似た使い方ができます。
金融機関に売掛金の内容を提示し、取引先から確実に入金される見込みがあると判断されれば、売掛金の50〜80%程度まで融資が可能になります。ただし、金融機関や契約内容によって変動します。
- 金利の目安:年2~10%程度
- 返済方法:売掛金の入金時に返済
消費者向けの売掛金や、契約上「譲渡不可」となっている債権は対象外となります。また、契約手続きや報告資料の提出などの事務作業がやや多く、融資が実行されるまでに数日〜数週間と期間に幅がある点にも注意が必要です。
信用保証付き融資
信用保証付き融資とは、融資を受ける際に信用保証協会が保証人になってくれる制度です。「担保も保証人もいないけれど、事業資金を借りたい」という方にとって、頼もしい選択肢のひとつです。
具体的には、まず銀行や信用金庫などの金融機関に融資を申し込みます。その後、金融機関と信用保証協会がそれぞれ審査を行い、通過すれば融資が実行されます。
万が一、返済が難しくなった場合も、金融機関の請求により、協会は金融機関に対して代位弁済が行われるため、金融機関としてもリスクを抑えられ、借りる側にとっては融資を受けやすくなるメリットがあります。
ただし、信用保証を受けるには保証料の支払いが必要です。審査も2段階で行われるため、融資が実行されるまでに1〜2か月ほど時間がかかることもあります。
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、不動産を担保にして資金を借りる方法です。担保を差し入れることで、無担保ローンに比べて高額の借入が可能な点や金利が低めに設定されている点が特徴です。
借入可能金額は、担保とする不動産の評価額によって決まり、一般的には評価額の60〜80%が目安になります。たとえば、不動産の評価が3,000万円であれば、1,800〜2,400万円程度まで借りられる可能性があります。
融資額は申込者の事業収入や返済能力などによって変動します。金利の目安は年2.5〜15%程度、返済期間は最大35年と長期で設定できるため、月々の負担を抑えたい方にも向いている方法です。
注意点としては、返済ができなくなった場合、担保にした不動産が差し押さえられ、売却される可能性があるということです。また、登記費用や手数料といった初期費用がかかり、融資が実行されるまでに数日〜数週間ほどかかることも想定しておきましょう。
こちらの記事では、土地担保で受けられる融資について解説しています。
メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
プロパー融資
プロパー融資とは、信用保証協会の保証をつけずに、銀行などの金融機関が自らの判断と責任で融資を行う方法です。この融資を受けられるということは、銀行からの信用がある証ともいえ、保証料がかからない分、コストを抑えて資金を調達できるのが魅力です。
金利の目安は年1〜3%ほどで、融資条件も銀行と直接相談しながら進められるため、柔軟な対応が期待できます。
ただし、審査は比較的厳しいです。たとえば、開業したばかりの方や、赤字決算が続いている場合は、融資を受けるのが難しい可能性があります。
また、担保や連帯保証人を求められるケースが多く、融資までにかかる時間も2週間〜1か月ほどと、やや余裕を持った対応が必要です。プロパー融資は、ある程度の売上実績があり、普段から銀行と良好な関係を築いている事業者におすすめの方法です。
事業資金を急ぎで調達する方法:そのほか
資金繰りが厳しくなったとき、銀行からの融資以外にも、身近な方法で資金を用意することは可能です。ここでは、比較的スピーディーに現金化できる3つの手段を紹介します。
家族や知人からの借入
家族や友人からお金を借りるのは、もっとも身近で手軽な方法のひとつです。審査もなく、過去の信用情報に関係なく貸してもらえる可能性があり、場合によっては当日中に資金を手にできます。利息がかからない可能性がある点や、返済スケジュールを柔軟に相談できる点もメリットです。
ただし、お金の貸し借りは人間関係に影響します。後々のトラブルを避けるためにも、借用書を交わし、金額や返済方法などを明確にしておくことが大切です。
また、貸し借りに関する取り決めを正式に記録するために、借用契約書を作成することも重要です。契約書には返済期限や利息の有無、万が一返済が遅れた場合の対応なども盛り込んでおくことで、双方の安心感を高め、将来的な誤解や争いを防げます。
資金繰り改善サービス
売上はあるのに、入金までのタイムラグで手元資金が不足しているときに便利なのが、資金繰り改善サービスです。
たとえば、売掛金を早めに現金化する仕組みや、仕入れの支払いを少し延ばせるサービスなどがあり、一時的なキャッシュ不足をカバーできます。上手に使えば、急場をしのぎつつ事業の流れを止めずにすみます。
定期預金・保険の解約
手元にすぐ現金が必要な場合、定期預金の中途解約や保険の解約という選択肢もあります。融資のような審査が不要で、手続きがスムーズに進めば数日で現金化できることから、スピード重視の資金調達に向いています。
ただし、定期預金は解約すると利息が減ることがあり、保険を解約すると将来の保障がなくなってしまう可能性があります。とくに、医療保険や生命保険は、解約後の再加入が難しいケースも多いため、あくまでも最終手段として慎重に判断しましょう。
いくら融資を受けられるかについて確かめる方法
事業資金を補いたいとき、自社がいくらまで借りられるのかは気になるところです。ここでは、融資可能額の目安を知るための方法を紹介します。
金融機関に聞いてみる
もっとも確実なのは、銀行や信用金庫などの金融機関に直接相談することです。事業の内容や売上、経費、現在の借入状況、自己資金の有無など、いろいろな情報をもとにどのくらいまでなら貸せるかを判断してくれます。
ただし、すべての金融機関がすぐに具体的な金額を教えてくれるとは限りません。なかには、すでに取引があるお客さまにしか詳しい話をしないところもあります。
自分で計算する
銀行が教えてくれない場合は、自分で事業の収支や借入状況を整理し、おおよその融資可能額を試算してみるのもひとつの方法です。あくまで参考程度ですが、無理のない資金計画を立てるための手がかりになります。
償還年数を基準にした計算
償還年数とは、今の事業の利益で借入金を何年かけて返済できるかを示す数字です。金融機関では、10年以内に返済できる範囲かを目安にすることが多いです。
以下の計算式で、おおよその融資可能額を出せます。
(税引後利益 + 減価償却費) × 10年 = 融資可能額の上限目安
より現実的に試算したい場合は、返済期間を5年や7年に設定して計算してみるとよいでしょう。
(税引後利益 + 減価償却費) × 5年 = 5年返済の場合の目安額
ただし、上記で出した金額はあくまでも目安です。実際の審査では、信用情報や自己資金の状況、既存の借入額、事業の安定性など、さまざまな要素が考慮されます。
経常利益を基準にした計算
経常利益とは、日々の事業活動によって安定して生み出されているかを示す数値です。たとえば、不動産の売却など一時的な収入は含まず、通常の営業から得られたもうけだけを指します。
経常利益をもとに、借入の目安額を出すときは、次のような計算が使われます。
過去3年間の平均経常利益 × 50% × 7年
この式は「毎年のもうけの半分を返済にあてたら、7年でどのくらい返せるか」という考え方です。
たとえば、3年間の平均経常利益が700万円だった場合は
700万円 × 0.5 × 7年 = 2,450万円
つまり、おおよそ2,450万円が、無理なく返済できる上限の目安となります。
金融機関が慎重に審査するときに使われる考え方なため、やや保守的な試算にはなりますが、現実的な返済可能額を知るには有効な手段です。
借入依存度を基準にした計算
借入依存度とは、事業全体の資金のうち、どれくらいの割合が借金によってまかなわれているかを示す指標です。割合が高いほど、返済リスクがあると判断され、新たな融資の審査が厳しくなる可能性があります。
一般的な目安は以下のとおりです。
- 50~60%:健全
- 60%以上:やや注意が必要
- 70%以上:慎重な審査対象
自身の借入依存度は、次の式で計算できます。
借入依存度(%)= 借入金 ÷ 総資産 × 100
たとえば、借入金が1,500万円、総資産が3,000万円の場合
1,500万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 50%
上記のように数値化してみると、自分の事業がどれくらいの借入負担を抱えているのかが見えてきます。また、追加の融資をざっくり知りたい場合には、次の計算式が参考になります。
総資本 × 50% = 借入の上限目安
たとえば、総資本が4,000万円の場合
4,000万円 × 50% = 2,000万円
このように、おおよそ2,000万円までであれば、金融機関からも無理のない借入と判断されやすくなります。借りすぎを防ぐためにも、事前にこうした指標をチェックしておくことが大切です。
理想の融資を受けるためのポイント
融資は、いつでも希望通りの金額が借りられるとは限りません。金融機関の審査によっては、希望額より少ない金額しか借りられないケースや融資そのものが通らない可能性もあります。
しかし、あらかじめポイントを押さえて準備しておけば、より良い条件で融資を受けられる可能性が高まります。
ある程度自己資金を用意しておく
理想的な融資を受けるには、自己資金をある程度用意しておくことが重要です。まったく自己資金がない状態では「この人は返済できるのだろうか?」と金融機関に不安を与えてしまい、希望額に届かないことがあります。
目安としては、必要資金の1〜3割程度を自分で用意しておくと安心です。5割以上の自己資金があれば、さらに審査で有利に働くでしょう。
金融機関は、自己資金の金額を見ることで「この人は計画的に準備を進めてきた」「お金の管理がしっかりしている」と判断します。日々の積み立てやコツコツと準備してきた姿勢が、信用につながります。
入念に事業計画書を作る
融資を申し込む際に気になるのはいくら借りられるかですが、金融機関がもっとも重視するのは本当に返せるかどうかです。判断材料となるのが、事業計画書です。
事業計画書は、どのような事業を行っていて、どう利益を生み出していくのかを分かりやすく伝える資料です。金融機関は事業計画書を通して、事業への熱意や経験、今後の見通しを確認します。
信頼感を持ってもらうためには、単なる理想や希望だけでなく、過去の実績や具体的な根拠にもとづいた、現実的で説得力のある計画を示すことが大切です。また、返済についても余裕を持たせたスケジュールを提示することで、より安心してもらえるでしょう。
残債をできるだけ減らしたうえで申し込む
新たに融資を申し込む際は、すでにある借入状況が審査に大きく影響します。そのため、可能な範囲で残っている借金を減らしておくことが大切です。
金融機関は今の借入状況で、さらに貸しても大丈夫かを慎重に見極めるためです。現状の借入額が多すぎると、返済できるのか不安があると判断され、希望額より少ない融資になる、または金利が高くなる可能性もあります。
とくに、個人事業主の場合は、事業用の借入だけでなく、個人のローンやクレジットカードの利用状況、さらには税金・保険料の支払い状況までチェックされるため注意が必要です。
あらかじめ借入残高を整理しておくことで、お金の管理ができていると金融機関からも信頼されやすくなります。もし余裕があれば、一部を繰り上げ返済する、借入先をまとめるといった工夫も検討してみましょう。
事業が好調なときに申し込む
資金が足りなくなってから急いで融資を申し込むよりも、事業が順調に進んでいるタイミングで申し込んだほうが、よりよい条件で借りられる可能性が高くなります。資金に余裕があれば、金融機関も安心して検討しやすいためです。黒字決算や安定したキャッシュフロー、継続的な取引があるとプラスの評価につながります。
たとえ一時的に業績が落ちていても、最近の売上や受注の回復傾向を数字で示せれば、返済の見込みがあると判断され、審査が通りやすくなるケースもあります。将来のために備えておくという段階で融資枠を確保しておけば、いざというときに慌てず、落ち着いて対応できます。
即日で事業資金を調達する際の注意点
急な仕入れや支払いには、即日資金調達が便利ですが、手数料の高さや悪質業者に引っかかる可能性があるなどのリスクもあります。ここでは、即日で事業資金を調達する際に注意すべきポイントを解説します。
悪徳業者かどうかを見極める必要がある
「審査なし」「誰でもOK」「低金利」など、魅力的な言葉で誘ってくる業者にはとくに注意が必要です。なかには、融資保証金詐欺や見せかけだけのファクタリングで実質的に違法な貸し付けを行うケースもあります。
貸金業者は、貸金業法に基づいて、財務局長または都道府県知事の登録を受ける義務があり、登録番号を公式サイトなどで公開しています。
たとえば、不動産担保ローンを提供するワコーファイナンスのサイトでは、愛知県と静岡県の登録番号をホームページ内に記載しています。慌てて契約を決める前に、業者が正規登録されているか必ず確認しましょう。
見極め方1:金融庁の情報を参考にする
金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索サービス」では、業者の名前や所在地などを入力することで、正式に登録されているかどうかを調べられます。表示されない場合は、登録されていない可能性が高く、契約は避けたほうがよいでしょう。
出典:金融庁ウェブサイト「登録貸金業者情報検索サービス」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/
見極め方2:日本貸金業協会の情報を参考にする
日本貸金業協会の「ヤミ金・悪質業者被害の実例検索」では、これまでに報告された被害事例を確認できます。
業者名や電話番号を入力して調べられ、自分が関わろうとしている業者に過去のトラブルがないかをチェックできます。事前に確認しておくと安心です。
出典:日本貸金業協会ウェブサイト「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」
https://www.j-fsa.or.jp/personal/bad_contractor/search/
即日で調達できるとは限らない
「即日融資可能」とうたわれていても、実際には書類の不備や審査の進行状況によって時間がかかることも多く、必ずしも当日中に資金を受け取れるとは限りません。
たとえば、本人確認書類の提出が遅れる、または追加の収支説明を求められるといったことがある場合、手続きが長引いて即日融資は難しくなります。
とくに、銀行の融資は即日対応が基本的に不可能であり、即日対応が可能なのは主にノンバンク系や一部のビジネスローン業者に限られます。時間的な余裕がないときこそ、こうした点を理解したうえで、早めに準備を進めておくことが大切です。
金利や手数料が高い傾向にある
即日で資金を調達できるビジネスローンやノンバンク系の融資は、スピード感を重視できますが、金利や手数料が高く設定されていることが多いため、コスト面には注意が必要です。たとえば、金利は年2〜18%と幅があり、融資額の2%前後の事務手数料がかかるケースもあります。
たとえば、100万円を借りた場合でも、手数料で2万円が差し引かれ、手元に届くのは98万円です。さらに年利12%であれば、1年間で約12万円の利息が発生するため、実質的な負担は思った以上に大きくなります。
短期間の利用であれば資金繰りの助けになりますが、長く使い続けると返済負担が重くなり、かえって資金繰りが悪化するリスクもあります。利用前に無理のない返済計画を立てておくことが大切です。
土日や夜間は即日対応が難しい可能性がある
即日融資が可能なサービスでも、申し込む時間帯や曜日によっては、当日中に資金を受け取れないケースがあります。多くのビジネスローンでは、即日融資を希望する場合、午前中までの申し込みが条件となっており、午後の申し込みは翌営業日以降の対応になることが一般的です。
また、ウェブ上で手続きが完結するタイプの融資であっても、土日祝日や年末年始などは、審査や振り込み対応を行っていない業者も少なくありません。急ぎで資金が必要なときこそ、事前に営業時間や対応日をよく確認しておくことが重要です。
調達できる金額は低めである
即日で資金を調達できる方法はスピード重視の反面、調達できる金額が比較的少なめなことが一般的です。
たとえばビジネスローンでは、上限が300万円前後に設定されているケースが多く、1,000万円を超えるような大型の融資はあまり見られません。ただし、一部のビジネスローンでは1,000万円を超える限度額設定もあります。
また、ファクタリングや手形割引の場合も、売掛金や手形の金額から手数料が引かれるため、実際に手元に入る金額はさらに少なくなります。ある程度まとまった資金が必要なときは、ほかの資金調達方法もあわせて検討するのがおすすめです。
借入の場合は信用情報に影響を与える場合がある
借入は、信用情報に影響することがあるため注意が必要です。短期間に複数の融資を申し込むと、資金繰りが厳しいのではないかと判断され、次回以降の審査で不利になることがあります。
さらに、返済が滞ると異動情報(いわゆるブラックリスト)として登録され、5〜7年ほど新たな借入が難しくなる可能性があります。信用を守るためにも、無理のない金額と返済計画のもとで、慎重に利用することが大切です。
慌てずに資金を調達するためのコツ
資金が足りないことに気づいたとき、慌てて高金利の融資に頼る、または信頼できない業者を利用してしまうケースは少なくありません。
こうした事態を避けるためには、日ごろからお金の流れや在庫を把握しておくことが大切です。ここでは、急な出費があっても落ち着いて対応できるようにするための6つのポイントを紹介します。
資金繰りが悪化する前に資金調達を進める
資金調達は、必要に迫られてからではなく、余裕があるうちに始めるのが理想です。金融機関も、経営が安定している時期に相談を受けたほうが前向きに検討しやすく、好条件での融資につながる可能性が高くなります。
たとえば、黒字決算で資金にも余裕があるときに、あらかじめ運転資金の融資枠を確保しておけば、急な支出が発生しても慌てず対応できます。
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キャッシュフローを管理する
安定した経営のためには、日々のお金の動きを把握することが欠かせません。売上があっても、手元に現金がなければ支払いができず、取引先との信頼を損なうおそれもあります。
そこで、重要なのがキャッシュフローの管理です。キャッシュフローとは、いつどれくらいのお金が入り、いつどれくらい出ていくのかを示すものです。
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投資はキャッシュフロー内で行う
お店の改装や新しい設備の導入など、将来の成長を見据えた投資はとても大切です。ただし、売上が伸びるはずという見込みだけで大きな出費をすると、予想が外れたときに資金が足りなくなるリスクがあります。
投資を検討する際は、今のキャッシュフローのなかで無理なく対応できるかを確認しましょう。今ある現金以上の投資をしてしまうと、借入に頼ることになり、返済の負担から資金繰りが苦しくなる可能性も出てきます。
理想は、日々の営業活動で得られる利益の範囲内で投資を行うことです。無理なく、安心して経営を続けられるようになります。
不要な在庫を処分する
商品や資材などの在庫は資産の一部といえますが、売れていない間は現金にならず、いわば眠っているお金のようなものです。保管スペースをとるうえに、倉庫代などのコストもかかり、資金繰りを圧迫してしまうでしょう。
売れ残っている在庫は、値下げやセット販売などを活用して、できるだけ早めに現金化することをおすすめします。
在庫の回転率(どれくらいのスピードで売れているか)を定期的にチェックし、仕入れすぎを防ぐことも重要です。在庫がすっきり整理されると、お金の流れもスムーズになり、経営にゆとりが生まれます。
経費を削減する
資金繰りを安定させるには、売上を伸ばすだけでなく、毎月の支出を見直すことも大切です。たとえば、使っていないサブスクリプションサービスをひとつ解約するだけでも、年間で1万円以上の節約になる場合があります。
しかし、経費はやみくもに削ればよいというものではありません。お客さまの満足や売上につながる部分にはお金をかけつつ、無駄な出費を見つけて削減することがポイントです。日々の経費に少し意識を向けるだけで、着実に資金の余裕を生み出せます。
仕入先や販売先と交渉する
日々の資金繰りを少しでも安定させるには、お金の入りと出のタイミングを見直すことがポイントです。たとえば、仕入れ代金はすぐに支払っているのに、売上の入金が翌月末といった状態では、一時的に資金が足りなくなることも少なくありません。
仕入先に支払い期限の延長を相談してみる、または販売先に入金を早めてもらえるようお願いしてみましょう。もちろん、無理に要求するのではなく、相手との関係性を大切にしながら丁寧に話し合いを進めることが大切です。お互いに協力し合える関係が築ければ、自社に合った資金の流れをつくりやすくなります。
まとめ
急な支払いが必要になったとき活用できる資金調達方法には、主に資産売却系と融資系があります。資産売却系のファクタリングや手形割引は、売掛金や手形をすぐに現金化できるという利点があり、数日以内に資金を得られるケースもあります。
ただし、手数料が高めに設定されていることが多く、調達できる金額も手元にある資産の範囲に限られるといったデメリットもあります。
一方で、融資は返済の義務はあるものの、比較的まとまった資金を短期間で確保できるのが強みです。たとえば、ビジネスローンやノンバンク系融資では、即日融資が可能なケースもありますが、金利や手数料が高めで、借入額も300万円程度までと制限があるのが一般的です。
より大きな資金を必要とする場合には、不動産担保ローンという選択肢があります。担保を提供することで、低めの金利で高額融資が受けやすくなる点がメリットです。
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本記事は正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性を保証するものではございません。
当該情報に基づいて被った損害については責任を負いかねます。
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