資金ショートとは?原因と具体的な7つの対策を解説
資金ショートとは、会社の資金が不足し、支払いができなくなる状態のことです。売上の減少や未回収の売掛金、突然の支出などが原因で発生し、放置すると倒産のリスクが高まります。何とかなると楽観視していると手遅れになる可能性があるため、早めの対策が重要です。
本記事では、資金ショートの主な原因と、すぐに実践できる7つの対策を解説しています。資金繰りに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
資金ショートとは
資金ショートとは、会社の資金が底をつき、家賃や仕入れ費用、従業員の給与、借入金の返済など、すぐに支払わなければならないお金を用意できない状態のことです。事業を続けるためには、毎月さまざまな支払いが発生します。
しかし、資金繰りが悪化すると、必要な支払いができず、事業の継続が困難になることもあります。最悪の場合、そのまま倒産にいたる可能性もあるでしょう。
なお、資金ショートと「赤字」や「債務超過」は似ているようで異なるものです。それぞれの違いについて、以下で詳しく解説していきます。
赤字との違い
赤字と資金ショートは似ていますが、意味が異なります。赤字とは、会社の売上よりも経費が多くなり、利益がマイナスになっている状態のことです。
たとえば、売上が500万円で、材料費・家賃・人件費などの経費が700万円かかった場合、利益はマイナス200万円の赤字になります。しかし、会社に十分な貯蓄があれば、すぐに支払いができなくなるわけではありません。事業計画の見直しや経費削減で黒字に転じることも可能です。
一方、資金ショートは、資金が底をつき、今すぐ支払うべきお金を用意できない状態です。たとえば、会社に現金が5万円しかないのに、今月の支払い(仕入れ・家賃・給与など)が100万円ある場合、必要な資金が足りていません。
このように、赤字でも資金に余裕があればすぐに問題にはなりません。一方、資金ショートは、放置すると事業継続が難しくなるため、より深刻な状態といえます。
債務超過との違い
債務超過とは、会社が持つ資産(現金・設備・売掛金など)よりも、負債の方が多い状態のことです。この資産だけでは借金をすべて返せませんが、直近の支払いに困っている状態ではありません。
一方、資金ショートは、資金が不足し、すぐに支払うべきお金を用意できない状態です。早急に対策をしなければ、事業の継続が難しくなります。つまり、資金ショートのほうが目の前の支払いに対応できない分、より緊急性の高い状況に置かれています。
資金ショートするとどうなる?
資金ショートが起こると、事業の継続が難しくなります。以下で、資金ショートが発生した場合の問題について詳しく見ていきましょう。
事業の継続が難しくなる
資金ショートとは、会社の資金が底をつき、必要な支払いができなくなる状態のことです。しかし、資金が尽きても、従業員の給料・家賃・光熱費・税金などの固定費は発生し続けるため、支払いが滞ると事業の継続が難しくなります。
とくに従業員の給料が払えなくなると、退職者が増え、人手不足による業務の停滞やサービスの質の低下につながります。結果として、売上が減少し、顧客の信頼も失われ、さらに資金繰りが悪化しかねません。最終的には、倒産に追い込まれる可能性もあります。
顧客や取引先からの信用を失う
資金ショートが起こると、支払いや納品が滞り、顧客や取引先からの信頼を大きく損なう可能性があります。取引先の業務にも影響を与えることで「この会社とは取引を続けられない」と判断され、契約を打ち切られるリスクが高まります。また、業界内での悪評が広まると、ほかの会社も警戒するため、新規取引が難しくなるでしょう。
融資を受けにくくなる
資金が不足した場合、本来なら融資を受けて資金を確保したいところですが、資金ショートを起こすと新たな融資を受けにくくなります。銀行や投資家は返済能力を慎重に判断するようになるためです。融資の審査が厳しくなり、場合によっては融資自体を断られる可能性もあります。
さらに、銀行への手形決済ができず、不渡りを出すと、会社の信用が大きく損なわれます。1回目の不渡りでも信用は低下しますが、6カ月以内に2回目を出すと銀行取引停止処分となり、すべての銀行取引が停止されてしまいます。
資金ショートする主な原因
会社が資金ショートに陥るのは、売上の低下や想定外の出費などさまざまな原因があります。ここでは、資金ショートが起こる主な原因を紹介します。
売上の減少
会社が安定して事業を続けるためには、十分な利益を確保しておく必要があります。しかし、売上が減少すると、取引先への支払いや従業員の給与、家賃、借入金の返済などが難しくなり、資金ショートのリスクが一気に高まります。
とくに売上が落ち込む原因は、以下のものです。
・経済の不況や消費者の購買意欲の低下
・新たな競合企業の参入や、競争の激化による市場シェアの減少(価格競争に巻き込まれ、利益率が低下)
・トレンドの変化による商品需要の減少
・取引先の倒産や契約打ち切り
・企業の不祥事や品質問題、SNSでの悪評などによる顧客離れ
予定外の出費
経営が順調であっても、突発的なトラブルや予想外の出費が発生すると、資金繰りが一気に悪化します。とくに資金に余裕のない企業は、大きな影響を受けやすく、資金ショートにつながるリスクが高まるでしょう。
たとえば、機械やシステムが突然故障すると、修理費や新しい設備の購入費が必要になります。また、製品やサービスに問題が発生し、訴訟を起こされた場合には、多額の弁護士費用や賠償金の支払いが必要になります。
資金の管理不足
資金繰りのシミュレーションを行わず、その場しのぎの管理をしていると、資金不足に気づくのが遅れます。売上が順調であっても、適切な資金管理ができていなければ、手元の資金が減っていることに気づかないためです。日々の業務に追われ、資金管理を後回しにしている企業ほど、このリスクが高まります。
結果として、支払いのタイミングになって初めて資金が足りないことに気づくケースも少なくありません。問題に気づいたときにはすでに手遅れになっていることもあり、資金管理の重要性が改めて問われます。
売掛金の未回収
売掛金の未回収も資金ショートを起こします。売上があっても、取引先が倒産して売掛金が回収できなければ、資金が不足し、支払いが滞るためです。とくに大口の取引先が倒産した場合は、資金繰りが一気に悪化し、資金ショートに陥るリスクが高まります。
自然災害
日本は自然災害が多い国であり、いつ災害が発生するかわかりません。地震・台風・洪水・火災などの災害によって、生産設備や機械が破損し、修理や買い替えに多額の費用がかかることがあります。また、被災した拠点の復旧に時間がかかると、事業再開が遅れ、売上の減少につながるおそれもあるでしょう。
事業の停止が長引くほど、家賃・人件費・光熱費などの固定費の支払いが重くのしかかり、資金ショートのリスクが高まります。災害による影響を最小限に抑えるためにも、事前の備えが重要となってきます。
資金ショートしそうなときにすべきこと
資金ショートの危機に直面しても、適切な対策を講じれば乗り越えられる可能性もあります。焦らず冷静に状況を把握し、資金繰りを改善するための行動を起こすことが大切です。以下のポイントを参考に、対策を行いましょう。
冷静に現況を把握する
まずは、現在の資金状況を正確に把握することが重要です。手元にどれだけの現金や預金があるのかを確認し、すぐに使える金額を把握しましょう。
次に、入金予定と支払予定のスケジュールを整理します。いつ・どれくらいの資金が入るのか、反対にいつ・どれくらいの支払いが発生するのかをチェックします。
さらに、不足する金額と資金が必要になるまでの期間を明確にすることも大切です。具体的な不足額と期限を把握することで、どのような対策を講じればよいのか考えやすくなります。
資産を売却する
資金ショートの危機を乗り越えるうえで大切なのは、速やかに資金を確保することです。追加融資や売掛金の回収が難しい場合は、会社が所有する固定資産を売却することで、まとまった資金を調達できます。
固定資産とは、企業が長期間にわたって使用する目的で所持している資産のことです。なかでも、次のような資産を売却すると、大きな資金調達につながることがあります。
・有形固定資産
オフィスや工場、倉庫、駐車場、製造機械、社用車、パソコンなど
・投資そのほかの資産
社債、国債、株式など
とくに使っていない遊休資産や不要な設備を売却すれば、資金を確保できるだけでなく、維持費の削減にもつながります。ただし、将来的に価値が上がる可能性がある資産を手放すと、後々の事業に影響が出る可能性もあります。売却を決める際は、慎重に判断しましょう。
支払いを延長する
資金が不足し、直近の支払いが困難な場合は、取引先に支払い期限の延長を相談してみましょう。資金ショートを防ぐためには、まず資金の流出を抑えることが大切です。支払いを延長してもらえれば、資金の減りを抑えられ、資金調達の方法を考える時間も確保できます。
ただし、支払い延長を求めると、取引先に「資金繰りが厳しいのでは?」と疑われる可能性があります。契約解除のおそれもあるため、慎重に検討しましょう。
リスケジュールを検討する
資金繰りが厳しい場合は、リスケジュールを検討しましょう。リスケジュールとは、金融機関と交渉し、返済額や返済期間、利率を変更することで、毎月の返済負担を軽減する方法です。リスケジュールを行うことで、一時的に資金の流出を抑えながら事業を継続でき、経営改善のための時間を確保できます。
ただし、リスケジュールは一時的な対策にすぎず、手元の資金が増えるわけではないことに注意しましょう。金融機関と交渉する際は、資金繰りの改善計画を具体的に示し、事業立て直しの意欲を伝えることが重要です。
資金を調達する
資金を調達できれば、経営改善のための費用にあてられるため、経営を立て直せる可能性があります。とくに金利が低く、まとまった金額を借りられる銀行融資は、資金調達の有力な手段のひとつです。
ただし、銀行融資を受けるには厳しい審査があり、返済能力を判断されるほか、保証人や担保が必要になる場合もあります。また、融資が実行されるまでに時間がかかることもあり、緊急時には間に合わないリスクもあります。
有効な資金調達手段は?
資金がショートしそうなときに活用できる資金調達の方法を紹介します。自社の状況に合ったものを選ぶためにも、できるだけ多くの方法を把握しておきましょう。
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、不動産を担保にしてお金を借りる方法です。比較的早く資金を調達でき、遊休資産(使っていない不動産)があれば活用できる点もメリットです。
返済期間を最大35年と長く設定できるため、無理のないペースで返済することが可能です。また、資金の使い道が自由なので、事業資金や不動産投資、生活費、教育費、医療費など、さまざまな目的で利用できます。
融資額は不動産の評価額によって決まるため、不動産の価値が高ければ、それに応じて借りられる金額も大きくなります。金利は銀行のローンより高めですが、無担保ローンよりは低めに設定されていることが一般的です。
ただし、返済できなくなると担保にした不動産が売却される可能性があるため、注意が必要です。無理のない範囲で、返済できる金額だけを借りるようにしましょう。
こちらの記事では、土地担保で融資を受ける方法について解説しています。
メリット・デメリットや融資の仕組みも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
ビジネスローン
ビジネスローンは、銀行やノンバンクが提供する事業者向けのローンです。審査が早く、最短即日で資金を受け取れます。また、銀行融資とは違い、担保や保証人なしで借りられる場合が多いのもメリットです。
ただし、使い道は事業の運転資金や設備投資などに限られており、生活費や娯楽費には利用できません。銀行融資に比べて金利が高めに設定されていることが多いため、返済計画を入念に立てる必要があります。
手形割引
手形割引は、手持ちの受取手形を銀行や専門の業者に買い取ってもらう方法です。期日を待たずに現金を手に入れられ、手形の額面から手数料や利息を差し引いた金額が受け取れます。
手形割引の審査では、手形の発行元の信用力が重要視されるのが特徴です。たとえ手形を受け取った企業の業績が悪くても、発行元の信用力が高ければ、審査に通る可能性は高くなります。ただし、手形の発行元が倒産して期日に支払いできなかった場合は、受取人が手形を買い戻す必要がある点に注意が必要です。
ファクタリング
ファクタリングは、企業が未回収の売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却し、現金化する方法です。銀行融資とは違い、売掛金を売る形になるため、借金にはならず返済の必要がありません。
銀行融資よりも審査が早く、最短即日〜数日以内に資金を調達できます。担保や保証人が不要なため手軽に活用できる点も優れています。
また、ファクタリングは取引先の信用力が重視されるのが特徴です。自社の業績が厳しくても、売掛先(取引先)の信用力が高ければ審査に通りやすくなります。
ただし、取引先の同意が必要ない2社間ファクタリングでは、手数料が高めになる点に注意が必要です。3社間ファクタリングは、手数料は低く抑えられますが、取引先に了承をもらう必要があります。利用する際は、手数料や取引先への影響も考慮しながら、慎重に検討しましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から資金を集める方法です。銀行融資やビジネスローンとは異なり、事業や商品・サービスに共感した個人や企業から支援を受けられるのが特徴です。
クラウドファンディングは、銀行融資が難しくても資金を調達できる、新規顧客を獲得してブランドのPRにもつながる点が優れています。ただし、必ずしも目標金額が集まるとは限らず、準備や運営に手間がかかります。
準備期間や募集期間が必要なため、すぐに資金を受け取れません。即時の資金調達には向かないため、ほかの資金調達手段と組み合わせて活用するのが効果的です。
補助金・助成金
国や自治体が提供する補助金や助成金を調べて利用する方法です。最大のメリットは、借入とは違い、返済の必要がないことです。
補助金と助成金という言葉の違いに、明確な定義はありません。
経済産業省による産業の振興を目的とした給付には補助金、厚生労働省による労働環境の改善を目的とした給付には助成金という名称を用いることが多いようです。助成金は、一定の条件を満たせば比較的受け取りやすい傾向があり、通年で募集されています。
一方、補助金は、申し込み数が限られており、条件を満たしても必ず受け取れるとは限りません。募集期間も1か月程度と短くなっています。
また、補助金と助成金は、どちらも後払いの仕組みである点を押さえておきましょう。先に自分で費用を負担し、あとから申請して受け取ります。申請から受け取りまでに時間を要するため、即時の資金確保には不向きです。
補助金と助成金は、計画的に準備すれば、資金繰りの強い味方になりえます。補助金や助成金の情報をこまめにチェックし、活用のチャンスを逃さないようにしましょう。
資金ショートを防ぐための対策7選
資金ショートを防ぐためには、日頃から資金管理を徹底し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、資金繰りを安定させるための7つの具体的な対策を紹介します。
資金繰り表を作成する
資金繰り表を作ることで、会社のお金の流れを見える化し、収入と支出のバランスを把握できます。これにより、先を見越した資金管理が可能になります。
資金繰り表に記録する項目は以下のとおりです。
・前月の残高(先月から残っているお金)
・今月の収入(売上や入金)
・今月の支出(仕入れ・人件費・家賃など)
・翌月に繰り越す金額(今月の残りのお金)
資金繰り表が必要な理由は、未来の資金状況を予測できるためです。「今月は大丈夫でも、来月は支払いが多くて資金が足りなくなる」といったリスクを事前に把握できます。
そのため、資金不足になる前に対策を立てることが可能です。資金調達やコスト削減の準備に余裕が生まれます。
在庫管理を徹底する
会社の資金繰りを安定させるには、適切な在庫管理が欠かせません。販売のために仕入れた商品や材料は、売れずに倉庫にある間は現金化できず、保管コストだけがかかります。過剰な在庫は資金を圧迫する原因になりかねません。
在庫管理のポイントは、必要以上に仕入れないことです。売れるはずと大量に仕入れても、売れ残ると資金が滞ります。適切な量を見極めて仕入れましょう。
また、不要な在庫は早めに処分しましょう。売れ残りそうな商品は、割引セールやまとめ売りなどで早めに販売し、仕入れ代金の回収を図ります。とくに季節商品や流行商品は、売れ残ると価値が下がるため、迅速な対応が必要不可欠です。
定期的な在庫確認も必要です。今どれくらいの在庫があるのかを常に把握し、必要な分だけを適切なタイミングで仕入れることで、不要な在庫を防ぎます。
請求漏れや未入金の有無を確認する
会社の資金繰りを安定させるためには、確実にお金を回収することが重要です。売上があっても、請求漏れや未入金が続くと資金が不足します。最悪の場合、黒字倒産に陥ることもあるため、請求の管理を徹底するようにしましょう。
請求漏れを防ぐポイントは、すぐに請求書を発行することです。商品やサービスを提供したら、すぐに請求書を作成・送付する習慣をつけましょう。
また、入金状況をこまめにチェックすることも大切です。期日を過ぎても入金が確認できない場合は、すぐに取引先へ連絡を入れましょう。そのうち支払われるだろうと放置せず、早めに対応することで、未入金のリスクを減らせます。
請求状況を見える化する方法も効果的です。エクセルや管理ツールを使い「未請求」「請求済」「入金済」とステータスを分けて管理すると、請求漏れを防げます。
不要なコストを削減する
会社の運営にはさまざまな費用がかかりますが、そのなかには削減できるコストもあります。支出を見直すことで、経営の安定につなげましょう。
削減しやすいコストには以下のものがあります。
・家賃(テナント料)
長期契約での値下げ交渉や、家賃の安い郊外への移転が有効です。テレワーク導入によりオフィスを縮小するのもよい方法です。
・通信費・水道光熱費
携帯電話やインターネット、電気・水道の料金プランを見直し、より安いものに変更します。
・人件費・交通費
業務の効率化で残業を減らす、またはオンライン会議を活用することで、出張費や通勤費を削減できます。
・仕入れ費
大量購入で単価を下げる、または安価な仕入れ先を探すことでコストを抑えられます。
・保険・税金
コストパフォーマンスの高い法人向け保険に切り替える、または設備投資を行い税負担を軽減する方法があります。
無駄な支出を減らすことは大切ですが、必要な経費まで削ってしまうと、会社の成長に悪影響を及ぼす可能性があります。コスト削減と事業の発展のバランスを考えながら、適切に見直しましょう。
遊休資産を見直す
遊休資産を見直すことでも、無駄な支出を減らし、資金を確保することが可能です。遊休資産とは、会社が所有しているものの活用されていない資産のことを指します。たとえば、使っていない土地や建物、機械、ソフトウェアなどです。
遊休資産を持ち続けるデメリットは、固定資産税や管理費、保険料などの維持費が発生することです。遊休資産を長期間放置すると、設備の老朽化で売却価格が低下するリスクもあります。
不要な資産を売却すれば、維持費を削減できるだけでなく、新たな資金調達にもつながります。遊休資産がある場合は、今後の活用予定を見極め、不要なら売却を検討しましょう。
支払いサイクルを見直す
支払いサイクルを調整することでも、資金ショートのリスクを減らせます。支払いサイクルとは、いつお金を払うかのスケジュールのことです。
資金ショートが起こる主な原因のひとつは、支払いが入金よりも先に来ることです。たとえば、次のようなケースでは資金が不足する可能性があります。
・売上の入金:月末に振り込みがある
・支払いの期限:毎月20日に仕入れ代金を払う
この場合、支払いが売上の入金よりも早いため、一時的に手元の資金が不足する可能性があります。そのため、取引先と交渉し、支払いのタイミングを遅らせることで資金が不足するリスクを減らせます。
支払いと入金のタイミングを調整することで、資金に余裕が生まれ、急な出費にも対応しやすくなるでしょう。ただし、取引先との信頼関係を損なわないよう、慎重に交渉することが大切です。
専門家に相談する
資金繰りに悩んでいると、1人で考えてもなかなか解決策が見つからず、不安が募るものです。そんなときは、専門家に相談することで、新たな視点からのアドバイスや具体的な解決策を得られる可能性があります。
専門家は、資金調達の方法や補助金の活用、コスト削減のアイデアなど、幅広い知識を持っています。1人では思いつかなかった選択肢を提案してもらえることで、より効率的に資金繰りを改善できるかもしれません。
また、資金不足の不安から冷静な判断ができなくなることもありますが、専門家に相談することで落ち着いて状況を整理できます。資金繰りの悩みを抱えたら、1人で抱え込まずに専門家の力を借りてみましょう。
資金がショートしそうなときの相談先
資金ショートのリスクが高まったときは、早めに専門家に相談することが大切です。適切なアドバイスを受けることで、経営改善が図れるかもしれません。以下では、資金ショートの危機を乗り越えたいときに相談できる窓口を紹介します。
公的機関
公的機関では、資金調達のアドバイスや融資の支援を無料または低コストで受けられます。
主な相談先は以下のとおりです。
・日本政策金融公庫
政府系の金融機関で、低金利の事業融資を提供しています。
・全国信用保証協会連合会
銀行融資を受ける際、信用保証協会が保証を行うことで融資を受けやすくなります。
・中小企業基盤整備機構
経営の専門家から対面やオンラインでアドバイスを受けられる支援機関です。
・都道府県中小企業支援センター
中小企業庁が設置した相談窓口で、都道府県ごとに資金繰りや経営支援のサービスを提供しています。
・全国商工会連合会
中小事業者向けに経営相談や融資制度の案内を行い、地域の商工会を通じて支援を受けられます。
それぞれの機関では受けられる支援内容が異なります。事前に適切な相談先を確認しましょう。
顧問弁護士
売掛金の未回収による資金繰りの悪化を防ぐためには、弁護士に相談するのも有効な方法です。取引先が支払いを滞らせた場合、適切な対応を取らなければ、回収不能となり、法的トラブルに発展する可能性もあります。
弁護士が代理人として交渉すれば、相手に「このままでは法的措置を取られるかもしれない」というプレッシャーを与えられるため、支払いに応じてもらいやすくなります。また、「納期が遅れたから支払わない」といった相手の主張に対して、法的根拠をもとに適切な反論が可能です。
弁護士が間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静に交渉を進められるでしょう。ただし、弁護士と契約すると費用がかかるため、費用対効果を考慮することが重要です。
行政書士・中小企業診断士
行政書士や中小企業診断士に相談することで、資金調達や経営改善のサポートを受ける方法もあります。行政書士は、法律に関する書類作成の専門家です。銀行融資や補助金申請のサポート、事業計画や資金計画の作成を通じて、資金調達の成功率を高めてくれます。
一方、中小企業診断士は、中小企業を中心に経営全般のアドバイスを行う専門家です。企業の現状を分析し、経営改善や成長戦略の提案、売上アップやコスト削減など、具体的な改善策をアドバイスしてくれます。
どちらも資金ショートを防ぐための支援を行ってくれるため、相談内容に応じて適切な専門家を選びましょう。
地元密着型の金融会社
資金ショートの危機が迫ったとき、大手銀行では審査や手続きに時間がかかり、すぐに融資を受けるのが難しい場合があります。そんなときに頼りになるのが、地域に根ざした金融会社です。
地元密着型の金融会社は、スピーディーな審査と柔軟な対応により、急な資金不足にも迅速に対応できる可能性があります。また、地域企業の経営を支えたいという思いから、事業状況に応じた最適な融資プランの提案も期待できます。
ただし、利用できる地域が限られているため、相談する前に公式サイトで対応エリアを確認しておくと安心です。資金繰りに悩んだら、地元密着型の金融会社を選択肢のひとつに加えてみましょう。
まとめ
資金ショートを防ぐには、資金管理の徹底、経費削減、迅速な資金調達が重要です。まず、資金繰り表を作成し、収支の流れを見える化することが大切です。将来の資金不足を事前に予測し、早めの対策を打てるようにしましょう。
次に、固定費の見直し、在庫管理の適正化、売掛金の早期回収、遊休資産の売却などを実施し、支出を抑えながら資金を確保することも大切です。それでも資金不足が解消されない場合は、ファクタリングやビジネスローン、不動産担保ローンなど、自社の状況に適した資金調達方法を活用しましょう。
ワコーファイナンスは、地域密着型の金融会社として、不動産担保ローンを提供しています。最短2日での融資が可能なため、急な資金ニーズにも柔軟に対応できます。まずはスピード審査で、資金調達の可否をチェックしてみませんか?
ワコーファイナンスでは、お試し診断ができます。
借入希望額や基本情報を送信すれば、最短2日のスピード審査で融資を受けられます。
ぜひお問い合わせください。
本記事は正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
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