有担保ローンとは?無担保との違いや活用方法を解説

資金を調達するときによく耳にするのが「有担保ローン」と「無担保ローン」です。どちらも借入の方法ですが、仕組みやリスク、利用できる場面には明確な違いがあります。
有担保ローンは担保を提供することで、無担保ローンでは難しい高額な融資を低金利で受けられる可能性があります。しかし一方で、返済が滞った場合には担保を失うリスクも伴います。
この記事では、有担保ローンの基本的な仕組みから無担保ローンとの違い、さらには具体的な活用方法まで、あなたの資金計画に役立つ情報をわかりやすく解説します。
有担保ローンとは?
有担保ローンとは、融資を受ける際に担保を必要とするローンのことです。担保とは、万が一返済ができなくなったときに、金融機関が貸し付けた資金を回収するために債務者が提供する資産を指します。
金融機関にとって担保があることで貸し倒れのリスクを抑えられるため、無担保ローンよりも低金利や高い融資額など、借り手にとって有利な条件が設定されやすくなります。一方で、担保を提供することは、返済不能に陥った場合に資産を失うリスクを伴います。
適切な返済計画を立てて利用すれば、資金調達の有効な手段として大きな力を発揮します。
担保の種類|人的担保と物的担保
担保には「人的担保」と「物的担保」の2種類があります。
人的担保は、申込本人が返済不能に陥ったときに返済を保証する「人」を指し、保証人や連帯保証人がこれにあたります。連帯保証人の場合、主債務者と同等の責任を負うため、債務不履行が発生すると直ちに全額を弁済する義務が生じます。
物的担保は、返済を保証できる「物」を指し、土地や建物といった不動産、有価証券、動産などがこれにあたります。債務不履行時には、その物を換金することで債権を回収できる価値があるものです。
一般的に「担保」というと「物的担保」を指すことが多く、不動産を担保とした不動産担保ローンなどが代表例です。
無担保ローンとは
無担保ローンとは、担保を必要とせずに利用できるローンのことです。代表的な無担保ローンには、カードローンとフリーローンがあります。
カードローンは利用限度額内であれば繰り返し借り入れが可能で、使途が自由なローンです。フリーローンは一度の契約で一括借り入れを行い、使途は自由ですが事業や投資目的には利用できません。
無担保ローンの最大のメリットは、担保を用意する必要がないため、申込から融資実行までのスピードが早いことです。審査も比較的シンプルで、最短即日から数日での融資が可能な場合も多くあります。
ただし、担保がない分、金融機関にとって貸し倒れリスクが高くなるため、金利は高めに設定される傾向があります。また、借り入れ可能な金額も有担保ローンと比較して低くなることが一般的です。
有担保ローンの例
有担保ローンには多くの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。以下に代表的な有担保ローンを紹介します。
不動産担保ローン
不動産担保ローンは、土地や建物といった不動産を担保にして資金を借り入れるローンです。
最大の特徴は資金使途の自由度が高いことです。事業資金、開業資金、運転資金、おまとめローン、相続費用、リフォーム資金など、多様な資金ニーズに対応できます。
【メリット】
- 高額な借り入れが可能(不動産評価次第で億単位も可能)
- 比較的低金利
- 返済期間を長めに設定可能(最長35年の商品もある)
- 個人だけでなく法人でも利用可能
- 本人以外の親族所有の不動産も担保にできる場合がある
【デメリット】
- 返済が滞ると担保不動産を失うリスク
- 融資実行までに時間がかかる(数日から1か月程度)
- 契約時に登記費用、事務手数料などの諸費用が必要
不動産担保ローンは、まとまった資金を低金利で調達したい方にとって有力な選択肢となります。
こちらの記事では、土地担保で融資を受ける方法について解説しています。
メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
証券担保ローン
証券担保ローンは、保有する有価証券(株式、債券、投資信託など)を担保にして資金を借り入れるローンです。
【メリット】
- 有価証券を売却せずに資金調達が可能
- 高額融資が可能(担保評価額の50%~80%程度)
- 金利が低い(年率1%~4%台)
- 資金使途が比較的自由
【デメリット】
- 有価証券の価格変動により追加担保を要求される場合がある
- 価格下落時には強制売却されるリスク
- 取り扱う金融機関が限られている
株式投資などで資産を保有している方が、売却せずに資金を調達したい場合に適したローンです。
動産担保融資(ABL)
動産担保融資(ABL:Asset Based Lending)は、在庫や売掛金、機械設備などの事業資産を担保にした融資です。
【メリット】
- 不動産がない企業でも融資を受けられる
- 担保は金融機関名義となるが、企業は引き続き販売や使用、回収が可能
- 事業の実態に即した融資が受けられる
- キャッシュフローの改善に効果的
【デメリット】
- 審査や登記手続きに時間がかかる
- 担保状況の定期報告義務がある
- 在庫管理や売掛金管理の精度向上が求められる
とくに製造業や卸売業など、在庫や売掛金を多く抱える事業者にとって有効な資金調達手段です。
住宅ローン
住宅ローンは、新築・中古住宅の購入やリフォームなど、居住目的で土地や建物を担保にするローンです。
【メリット】
- 金利が低い
- 返済期間が長い(最長35年)
【デメリット】
- 団体信用生命保険への加入が一般的
- 利用者自身が居住することが前提
- 投資用途では原則利用できない
住宅ローンは投資用途では原則利用できませんが、賃貸併用住宅(自宅の一部を賃貸に出す)の場合は例外的に利用可能です。
アパートローン
アパートローンは、アパートやマンション、戸建て賃貸などの投資用不動産の購入や建築に利用するローンです。賃貸用住宅の土地や建物取得、建物建築のほか、増改築や大規模修繕のため、借り換えのためなど、使途は多岐にわたります。
【メリット】
- 相続税対策になる
- レバレッジ効果がある
【デメリット】
- 金利は住宅ローンより高め
- 借入期間は新築なら35年程度、中古は法定耐用年数に左右される
不動産投資を行う個人投資家や法人にとって重要な資金調達手段です。
カーローン
カーローンには「有担保」と「無担保」の両方のタイプが存在します。
【有担保のカーローン(ディーラー系)】
- 購入車両が担保となり、完済まで所有権が販売店にある
- 返済滞納時には車両回収のリスクがあるが、審査は比較的緩やか
【無担保のカーローン(銀行系)】
- 車両を担保にせず、所有権は契約者にある
- 審査は厳しいが金利が低い傾向
購入する車両の価格や、借り手の信用状況に応じて適切なタイプを選択することが重要です。
有担保ローンと無担保ローンの特徴比較
有担保ローンと無担保ローンを選択する際の判断材料として、主要な項目で比較してみましょう。
| 特徴項目 | 有担保ローン | 無担保ローン |
| 借入限度額 | 高い(数百万円~億単位) | 低い(数百万円~1,000万円程度) |
| 金利 | 低い | 高い(年率15%~20%程度) |
| 返済期間 | 長い(最長35年) | 短い(最長10年程度) |
| 審査期間 | 長い(数日~1か月) | 短い(最短即日~数日) |
| 手数料 | 多い(登記費用等) | 少ない(または無料) |
借入限度額
有担保ローンは担保があるため、数百万円から億単位の高額融資が可能です。不動産担保ローンの場合、担保評価額の60%~80%程度が融資限度額の目安となります。
たとえば、5,000万円の評価額を持つ不動産を担保にすれば、3,000万円~4,000万円程度の借り入れが可能です。
一方、無担保ローンは貸し倒れリスクが高いため、限度額は数百万円〜1,000万円程度に設定されることが一般的です。
金利
有担保ローンは、担保によって貸し倒れリスクが軽減されます。たとえば不動産担保ローンの場合、金融機関によっても異なりますが、大きく金利を低く抑えることができます。
無担保ローンはリスクが高いため、年率15%~20%程度と高めに設定されています。長期間借り入れる場合、金利差による利息負担の違いは大きくなります。
返済期間
有担保ローンは最長35年など長期設定が可能で、月々の返済額を抑えることができます。ただし、返済期間が長くなると総利息額は増加するため、注意が必要です。
無担保ローンは長くても10年程度の設定が一般的で、月々の返済負担は重くなりがちです。
審査期間
有担保ローンは担保評価や登記手続きが必要となるため、審査には一定の期間を要し、必要書類も多く準備に時間がかかります。
無担保ローンは自身の信用情報のみが審査対象で、最短即日~数日で融資が可能な場合もあります。急いで資金が必要な場合は無担保ローンが有利です。
手数料
有担保ローンは契約時に事務手数料(借入額の1%~3%程度)、登記費用(登録免許税、司法書士報酬)、印紙税、火災保険料などの諸費用がかかる場合があります。
無担保ローンは手数料が少ない、または無料の場合が多く、初期費用を抑えることができます。
有担保ローンの活用例
有担保ローンの具体的な活用シーンを紹介します。これらの例を参考に、資金ニーズに適した活用方法を検討してください。
おまとめローンとして
ローンを利用する際は、同じ借入額や返済期間でも金利の違いで月々の返済額や総返済額が大きく変わるため、低金利で借りることが重要です。
とくに不動産担保ローンは、担保を提供することで貸し手がリスクを抑えられるため、無担保ローンよりも金利が低めに設定されやすく、返済負担を軽減できる可能性があります。
管理がしやすくなるだけでなく、総返済額を抑えられる場合もあり、将来的な負担軽減につながる有効な手段といえるでしょう。
リフォーム資金として
不動産担保ローンは、リフォーム内容に制限を受けず自由度の高い資金調達が可能です。住宅ローンや銀行系商品では工事内容や施工会社に制約がある場合がありますが、不動産担保ローンは返済能力と物件評価額が基本条件となり、規模や内容を問われません。
大規模な増改築や修繕で多額の資金が必要な場合も、借入限度額を大きく設定できるため対応可能です。さらに資金の使途は幅広く、ノンバンク系なら審査から融資までが比較的早く、急な資金需要にも適しています。
事業の運転資金として
不動産担保ローンは、個人事業主や中小企業経営者が事業拡大や一時的な資金不足を乗り切るために活用できる資金調達方法です。
仕入れや新店舗開設、設備投資、納税など用途は自由で、独立開業や事業所移転、社会保険料の納付にも利用されています。銀行融資が難しい場合でも担保により融資の可能性が高まり、一時的に借り入れて資金繰りを改善し、安定後に返済する企業も少なくありません。
ただし、契約時には諸費用が発生するため、計画的な利用が重要です。
まとめ
有担保ローンは、担保を提供することで無担保ローンでは実現困難な高額融資と低金利を同時に実現できる優れた資金調達手段です。
とくに不動産担保ローンは、資金使途の自由度が高く、おまとめローンから事業資金、リフォーム資金まで幅広いニーズに対応できます。月々の返済負担を抑えながら、長期間での計画的な返済も可能です。
ただし、返済が滞った場合には担保を失うリスクがあることも忘れてはいけません。利用前には必ず詳細な返済計画を立て、無理のない範囲での借り入れを心がけることが重要です。
ワコーファイナンスの不動産担保ローンは、50年以上の実績を持ち、お客様一人ひとりのニーズに合わせた不動産担保ローンをご提供しています。銀行からの融資が難しい方でも、最短2日での融資実行が可能です。
不動産担保ローンに関する資金調達でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
ワコーファイナンスでは、資金使途自由の不動産担保ローンをご検討中の方に向けてお試し診断を承っております。
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