出来事・ニュース

創業融資は自己資金なしでも受けられる!制度と通過のポイントを解説

お役立ち情報 2025/10/01

サムネイル

起業を考えているものの、自己資金が十分に準備できずに悩んでいませんか?

「自己資金がなければ創業融資は受けられない」と諦める必要はありません。実は、自己資金の要件が設定されていない融資制度もあり、事業計画の内容次第では融資を受けられる可能性があります。

この記事では、自己資金なしでも申し込める創業融資制度や審査を通過するためのポイント、注意点について詳しく解説します。

自己資金なしでも創業融資を受けられる可能性がある!

結論から言えば、自己資金がなくても創業融資を受けることは可能です。

多くの起業希望者は「自己資金がなければ融資は受けられない」と考えがちですが、これは必ずしも正しくありません。その理由は、自己資金の要件が設けられていない融資制度が存在するからです。

事業計画の内容によっては、自己資金不足を補い、審査通過の可能性を高められます。

たとえば、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」には自己資金に関する要件がありません。2024年3月31日をもって「新創業融資制度」が廃止され、現在は自己資金なしでも申し込めるようになっています。

ただし注意点として、自己資金がゼロの場合、希望した金額よりも融資額が減額される可能性があります。実際、日本政策金融公庫総合研究所の「2024年度新規開業実態調査」によれば、創業資金総額に占める自己資金の割合は24.5%という結果が出ています。

出典:日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_241127_1.pdf

そもそも自己資金とは

自己資金とは、簡単に言えば「自分の手元にあり、自由に事業資金として活用できる資産」のことを指します。一般的には現金や銀行口座にある預貯金を思い浮かべる方が多いですが、それだけに限りません。

不動産や株式、保険の解約返戻金、さらには事業に直接利用できる設備や機材なども、条件によっては自己資金として評価される場合があります。つまり「換金性や活用可能性があるかどうか」が重要な判断基準になるのです。

金融機関にとって自己資金は、融資を判断するうえで欠かせない指標です。なぜなら、自己資金の有無は、起業に対する本気度や計画性、さらにはリスク管理の力を見極める材料になるためです。

十分な自己資金を蓄えている人は、事業が軌道に乗るまでの資金繰りに耐えられる力があり、また万一のトラブルにも冷静に対応できると判断されやすいのです。

自己資金に該当する資産

自己資金として認められる主な資産は、以下のとおりです。

  • 現金・預貯金:銀行や郵便局の口座にある預貯金で、通帳などにより出所が確認できるもの。
  • 退職金:勤務先から受け取る退職金。受け取り予定の場合も、証明書類があれば自己資金として認められることがあります。とくに60歳前後の起業では重要な資金源です。
  • 生命保険の解約返戻金:積立型生命保険を解約して得られる資金。
  • 相続・贈与で取得した資金:正式な手続きを経て受け取った相続・贈与資金。
  • 資産売却による資金:不動産、車、有価証券などを売却して得た資金。
  • みなし自己資金:開業準備段階で支出した費用(例:設備購入費、店舗保証金など)。領収書で証明できるものに限られます。
  • 第三者割当増資:法人設立時に投資家から受けた出資金。

自己資金に該当しない資産

一方で、次のようなお金は自己資金には含まれません。

  • ほかの金融機関からの借入金:消費者金融やカードローンなどの借入金は負債であり、自己資金にはならない。
  • 親族・知人からの借入金:無利息であっても返済義務があるため、自己資金とは認められない。
  • タンス預金:現金であっても出所を証明できないものは自己資金にならない。

また「見せ金」と呼ばれる一時的に借りたお金を預金残高に見せかける行為は、詐欺罪に問われる可能性があるため、絶対に避けましょう。

自己資金なしでも申し込める創業融資の種類

「自己資金がないと融資は受けられないのでは?」と不安に思う方も少なくありません。確かに多くの金融機関では自己資金を重視しますが、なかには自己資金がなくても申し込みが可能な創業融資の制度も存在します。

公的な融資制度を中心に、具体的な概要と特徴を詳しく見ていきましょう。

日本政策金融公庫の制度

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、創業支援に積極的で、ほかの金融機関に比べて創業期の事業者でも利用しやすいのが特徴です。

新規開業・スタートアップ支援資金

「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方や、事業開始からおおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。

重要な変更点として、2024年3月31日をもって「新創業融資制度」が廃止されました。これにより、以前『新創業融資制度』と併用することで適用されていた自己資金要件が撤廃され、日本政策金融公庫の各種融資制度が無担保・無保証人で利用しやすくなっています。

現在は「新規開業・スタートアップ支援資金」として運用されています。「新規開業・スタートアップ支援資金」は自己資金要件が設けられていないため、自己資金なしでも申し込むことが可能です。

制度の概要は以下のとおりです。

  • 融資限度額:7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)
  • 返済期間:設備資金は20年以内、運転資金は10年以内
  • 据置期間:最長5年
  • 担保・保証人:原則として不要

さらに、女性、35歳未満または55歳以上の方、廃業歴がある再挑戦者などは、基準金利から0.4%優遇されます。たとえば60歳の起業家であれば、シニア枠として優遇金利の対象になる可能性があります。

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

中小企業経営力強化資金

「中小企業経営力強化資金」は、新たな事業分野への挑戦を支援するための融資制度です。
要件次第では融資限度額が7億2,000万円と大きく、条件を満たせば特別利率が適用される場合もあります。

利用するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 経営革新や異分野の中小企業との連携を通じて、新事業分野の開拓や市場の創出を行うこと
  • 認定経営革新等支援機関(税理士、公認会計士、中小企業診断士、商工会議所など)から指導・助言を受けていること
  • 具体的な事業計画書を策定していること

認定経営革新等支援機関のサポートを受けることで、事業計画の質が高まり、融資審査の通過率も向上しやすくなります。

出典:日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/64_t.html

挑戦支援資本強化特別貸付

「挑戦支援資本強化特別貸付」は、いわゆる資本性ローンと呼ばれる特殊な融資制度です。

  • 融資限度額:小規模事業者・個人事業主は最大7,200万円、中小企業は1社あたり最大15億円
  • 金利:業績に連動する変動型

最大の特徴は、借り入れた資金が他の金融機関の財務評価上「負債」ではなく「自己資本」とみなされる点です。そのため、将来的に追加融資を受けやすくなり、資金調達の幅を広げる効果があります。

出典:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/57_t.html

制度融資(信用保証協会の保証付き融資)

制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証協会が連携して実施する融資制度です。

地方自治体の制度融資

各地方自治体では、独自の創業融資制度を設けている場合があります。

例として、東京都の「東京都中小企業制度融資『創業』」は以下の内容です。

  • 融資限度額:3,500万円
  • 金利:担保の有無によって2~3%の中で変動
  • 担保・保証人:原則として不要

利用要件は次のとおりです。

  • 現在事業を営んでいない個人で、具体的な創業計画を持つ方
  • 創業から5年未満の中小企業者等
  • 分社化を予定している会社、または分社化により設立されてから5年未満の会社

ただし、制度の内容は自治体ごとに異なります。利用を検討する際は、起業予定地の自治体に確認することが不可欠です。

出典:東京都創業NET「東京都中小企業制度融資『創業』」

https://www.tokyo-sogyo-net.metro.tokyo.lg.jp/finance/seido_yuushi.html

出典:東京信用保証協会「都創業融資」

https://www.cgc-tokyo.or.jp/institution/sougyo_seido.html

金融機関の創業融資

地方銀行や信用金庫のなかには、創業に特化した融資商品を取り扱っているところがあります。主な例としては以下のとおりです。

  • きらぼし銀行:「創業サポートローン」/500万円以内
  • 中国銀行:「ちゅうぎん新規創業融資制度 結希」/3,500万円以内
  • 城南信用金庫:「創業・起業者向け協調融資Approach」/5,000万円以内

ただし、民間金融機関の場合は自己資金なしでの融資審査は難しくなる傾向があります。そのため、融資を希望する際には、とくに説得力のある事業計画書の作成が不可欠です。

出典:きらぼし銀行「創業サポートローン」

https://www.kiraboshibank.co.jp/hojin/choutatsu/sougyou.html

出典:中国銀行「ちゅうぎん新規創業融資制度 結希」

https://www.chugin.co.jp/business/service/financing/jigyosha/yuki/

出典:城南信用金庫「創業・起業者向け協調融資Approach」

https://www.jsbank.co.jp/business/service/financing/jfc-abc/approach/

自己資金なしで創業融資審査をクリアするためのポイント

自己資金がない場合でも融資を受けられる可能性はあります。そのためには、事業の実現可能性や経営者としての能力を明確に示し、金融機関を納得させることが不可欠です。

事業計画書を緻密に作り込む

融資審査において、事業計画書は最も重要な判断材料です。自己資金がない場合は、計画書の完成度が審査通過で重要となります。

とくに押さえておくべき記載項目は以下のとおりです。

  • 市場調査にもとづいた客観的な売上予測
  • 資金使途と調達方法の具体性
  • 現実的な収支計画・資金繰り計画
  • 無理のない返済計画

これらを裏付けるために、根拠となるデータをしっかり収集することが重要です。業界統計、競合分析、顧客ニーズ調査などを根拠として盛り込めば、計画書の説得力が大きく高まります。

見込み顧客や既存顧客をアピールする

すでに確保している顧客や具体的な契約がある場合は、必ずアピールしましょう。

【効果的な証明資料の例】

  • 契約書・発注書
  • 業務委託契約書
  • 販売予約書
  • 顧客からの推薦状

これらの資料は、事業の安定性を示す強力な根拠となり、自己資金不足を補う大きな材料になります。

現在働いている会社と同業種で開業する

同業種での実務経験は、金融機関から高く評価されます。事業成功の可能性が高いとみなされるためです。

【アピールポイントの例】

  • 業界での経験年数(目安は6年以上)
  • 勤務時代の実績や成果
  • 見込み顧客との関係性
  • 業界特有のノウハウや人脈

会社員として働いてきた経験は、起業を検討している方にとって大きなアドバンテージとなります。

認定支援機関のサポートを受ける

認定経営革新等支援機関のサポートを受けることで、融資審査をより有利に進めることができます。

主なサポート内容は以下のとおりです。

  • 事業計画書作成の支援
  • 資金調達に関するアドバイス
  • 面談対策やプレゼンテーション指導
  • 融資制度の紹介

税理士、公認会計士、中小企業診断士などの専門家が、豊富な経験に基づき的確なアドバイスを提供してくれるため、計画の信頼性と説得力が大きく高まります。

自己資金なしで創業融資を受ける際の注意点

自己資金がない状態で融資を受ける場合には、いくつかのリスクや注意点があります。事前に理解しておくことが重要です。

融資額が少なくなりやすい

自己資金がないと、希望額から減額される可能性が高まります。融資額は一般的に自己資金の3〜4倍程度が目安とされるため、自己資金ゼロの場合は大幅な減額は避けにくいでしょう。

ただし、事業開始前から大口の取引契約があるなど、確実な収益が見込める場合には希望額に近い融資が認められる可能性もあります。

金利が高くなりやすい

次に注意すべき点は「金利」です。自己資金がないと金融機関のリスクが高まるため、通常よりも金利が高く設定されやすくなります。

信用保証協会付きの融資では数%程度上乗せされることもあり、民間金融機関ではさらに高い水準になる場合もあります。金利の違いは長期的に見れば大きな負担となるため、どの制度を利用するかは慎重に検討する必要があります。

入念な返済計画を立ててから申し込む

返済計画を入念に立てることも欠かせません。自己資金がない場合、事業にかかる費用の大半を借入金で賄うことになります。

そのため、事業開始後の売上だけで返済を続けられるよう、現実的な資金繰り計画と返済シミュレーションを準備しておくことが重要です。

日本政策金融公庫では元本返済を猶予して利息のみを支払う「据置期間」を設定できるため、事業が軌道に乗るまでの準備期間として活用するのも有効です。

見せ金は絶対に避ける|詐欺罪に問われるおそれも

融資の審査に通りたい一心で、一時的に資金をかき集めて「自己資金があるように見せかける」行為を考える方もいます。見せ金のような不正行為は絶対に避けなければなりません。

見せ金のリスクとして、詐欺罪(10年以下の懲役)に問われる可能性、金融機関による通帳履歴の詳細確認(6か月分など)、発覚時の融資取り消しや将来的な融資停止があります。

金融機関はこうした手口を熟知しているため、正当で誠実な方法で資金調達を行うことが何よりも大切です。

出典:e-GOV「刑法第246条」

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_2-Ch_37-At_246

創業のための自己資金を調達する13の方法

自己資金がある方が融資を受けやすいのは事実です。金融機関にとって自己資金は経営者の本気度や計画性を示す材料となるため、資金の有無は審査に大きな影響を与えます。では、自己資金をどのように準備すればよいのでしょうか。

ここでは、創業を目指す人が実際に取り組める具体的な方法を取り上げ、それぞれの特徴や活用の仕方を解説していきます。

不動産などを現物資産として申告する

事業で使用する現物資産を自己資金として申告する方法があります。

対象となるのは、事務所や店舗として利用する予定の不動産や、営業車・配送車として使う車両、さらにはパソコンやOA機器、有価証券などです。

これらの資産は時価相場によって評価されるため、申告にあたっては事前に適正な評価を受けておくことが重要になります。

みなし自己資金を申告する

開業前に事業のために支出した費用を「みなし自己資金」として申告することも可能です。具体的には、事業用設備の購入費や店舗の保証金・敷金、開業準備にかかった研修費、あるいは許認可の取得に必要な費用などが対象となります。

これらを自己資金として認めてもらうためには、領収書や口座引き落としの履歴といった証拠書類をしっかり保管しておくことが欠かせません。

親族から贈与を受ける

親族から資金を「贈与」として受け取った場合、そのお金は自己資金として認められます。ただし、いくつかの注意点があります。

まず、贈与であることを明確にするために贈与契約書を作成する必要があります。さらに、資金の移動は銀行振込によって行い、その記録を残しておくことが求められます。

年間で110万円を超える贈与については贈与税の課税対象となるため、税務上の取り扱いにも注意が必要です。借入と贈与の区別を曖昧にしないよう、必ず正式な手続きを経て受け取ることが大切です。

出典:国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

共同経営者のサポートを受ける

資金力のある共同経営者とタッグを組むことで、創業時の資金面での課題を解決することができます。

共同経営者の資産を自己資金として活用できるのはもちろん、経営ノウハウや人的ネットワークを共有できる点も大きなメリットです。また、一人ですべてを背負うのではなくリスクを分散できるため、経営の安定性を高める効果も期待できます。

一方で、注意すべき点もあります。役割分担や利益配分をあらかじめ明確にしておかなければ、後々トラブルにつながる可能性があるため、将来的な経営方針についてもしっかり擦り合わせておくことが欠かせません。

信頼関係を築きながら協力できるパートナーを選ぶことが大切です。

副業からはじめて資金を貯める

副業として小さい事業を始め、リスクを抑えながら自己資金を貯めていくのは非常に現実的な方法です。実際の市場で自らのビジネスモデルを試すことができるため、机上の計画では得られない検証の機会となります。

さらに、副業を通じて経験やノウハウを蓄積できるだけでなく、将来的に事業の成長を支える顧客基盤を築くことも可能です。会社員としての安定収入を確保しながら段階的に事業を拡大できる点は、大きな安心材料となるでしょう。

退職金を受け取る

退職金は、創業資金として確実な自己資金源となります。まずは自分が受け取る予定額を把握しておくことが大切であり、そのためには勤務先から証明書類を取得しておく必要があります。

実際に受け取りがまだであっても、証明書があれば「受け取り予定」として申告できる場合があります。また、退職金の受け取り時期を事業開始のスケジュールに合わせて調整することで、資金計画をより柔軟に立てることが可能になります。

資産を売却する

不要な資産を売却して自己資金を確保する方法も有効です。

対象となるのは、自宅以外の投資用不動産や事業で使用しない車両、さらには貴金属や美術品、有価証券などです。これらの売却によって得られる資金は出所が明確であり、返済義務も発生しないため、確実な自己資金として認められます。

保険を解約する

積立型の生命保険を解約し、その解約返戻金を自己資金に充てる方法があります。

利用にあたっては、まず実際にどの程度の解約返戻金が戻ってくるのかを確認することが欠かせません。そのうえで、解約手続きを行うタイミングを事業計画と合わせて調整し、将来の保障が減ることによるリスクについても考慮しておく必要があります。

なお、解約返戻金は口座に入金された時点で初めて自己資金として扱えるため、資金計画上はこの入金時期を意識して動くことが重要になります。

クラウドファンディングを利用する

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る方法です。返済の義務がないため自己資金として活用しやすいだけでなく、市場のニーズを検証する機会となり、同時にマーケティング効果やファンベースの構築にもつながります。

成功させるためには、まず魅力的な事業内容を提示し、支援者にとって納得感のあるリターンを設計することが重要です。さらに、効果的なプロモーションを行い、資金の使い道を透明性高く説明することで、支援者からの信頼を獲得しやすくなります。

ビジネスプランコンテストに参加する

ビジネスプランコンテストへの参加は、賞金の獲得だけにとどまらず、多面的なメリットがあります。受賞すれば賞金や支援金を得られるのはもちろんのこと、応募過程で事業計画をブラッシュアップできる点も大きな利点です。

さらに、審査員となる専門家から直接アドバイスを受けられる機会や、コンテストを通じたメディア露出、さらには投資家との出会いに発展する可能性もあります。

このように、コンテスト参加は資金調達の手段であると同時に、事業成長そのものを後押しする価値ある機会となります。

流動資産担保融資保証制度を利用する

流動資産担保融資保証制度とは、売掛債権や棚卸資産を担保として利用する融資制度です。

具体的には、取引先に対する売掛債権や、在庫として保有している商品などを担保にすることができます。すでに事業を開始している事業者にとっては、資金調達の有効な手段となり得る方法です。

不動産担保ローンを利用する

不動産を担保にした融資は、自己資金が少ない場合に有効な選択肢となります。まとまった資金を調達できるうえ、融資までのスピードが比較的早く、資金の使い道が自由である点が大きな特徴です。銀行からの融資が難しいケースであっても対応できる場合があります。

とくに50〜70代で不動産を所有している方にとっては有力な方法となり得ます。年金収入しかない方や、銀行融資が困難と判断された場合でも、不動産を活用することで資金調達の道が開ける可能性があります。

こちらの記事では、土地担保による融資について解説しています。
メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

行政の補助金や助成金を利用する

国や地方自治体が提供する補助金や助成金は、原則として返済不要の資金調達方法です。代表的なものに、ものづくり補助金やIT導入補助金、事業再構築補助金、人材開発支援助成金などがあります。

いずれも事業計画の質や将来性が厳しく審査されるうえ、支給は原則として後払いとなるため、一時的には自己資金を用意しておく必要があります。それでも採択されれば返済の必要がないため、自己資金を確保する有効な手段となります。

自己資金を貯める場合は創業資金総額の20〜25%を目安に

自己資金を準備する際には、どの程度を目安にすればよいのかを把握しておくことが大切です。日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は24.5%となっています。

たとえば創業資金が1,000万円であれば自己資金は200〜250万円、創業資金が500万円であれば100〜125万円が目安となります。

もちろんこの数値はあくまで一般的な指標にすぎず、事業の内容や規模によって必要な金額は変動しますが、資金計画を立てるうえでの参考には十分活用できます。

日本政策金融公庫への申込み方法

日本政策金融公庫は、創業時に利用しやすい政府系金融機関です。ここでは、実際に申し込みを行う際の具体的な流れや手続きについて解説します。

出典:日本政策金融公庫

https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/tetsudukij_c.html

必要な書類

申込みに必要な主な書類は次のとおりです。

  • 日本公庫電子契約サービス利用申込書(郵送の場合は借入申込書)
  • 創業計画書
  • 設備資金の見積書(設備資金を申し込む場合)
  • 登録事項証明書または登記簿謄本(担保を希望する場合)
  • 本人確認書類

とくに創業計画書は審査の核心となる重要書類です。売上計画や資金計画、返済計画を具体的な数字で示し、根拠となるデータを添付することで、計画の実現性を強くアピールできます。

申し込みの手順

申し込みの手順は以下のとおりです。

1.支店窓口や事業資金相談ダイヤルで相談する
2.支店窓口かWebで申し込み手続きを行う
3.担当者と面談する
4.融資の可否通知を受け取る
5.融資金が銀行口座に振り込まれる

ひとつずつ見ていきましょう。

①支店窓口や事業資金相談ダイヤルで相談する

まずは事前相談を行うことが重要です。相談内容として、融資制度の詳細説明、必要書類の確認、事業計画のアドバイスがあります。

②支店窓口かWebで申し込み手続きを行う

書類を準備して正式な申し込みを行います。申込方法として、支店窓口への直接提出、郵送による提出、インターネット申込みがあります。

③担当者と面談する

面談では事業計画について詳しく説明します。

面談で聞かれる内容として、創業の動機や経緯、事業の具体的な内容、市場分析と競合状況、資金使途と返済計画、過去の経験や実績があります。事業計画書の内容をもとに、具体的で説得力のある説明を心がけましょう。

④融資の可否通知を受け取る

審査結果は書面で通知されます。審査期間として、標準的な審査期間は2〜3週間程度となります。

⑤融資金が銀行口座に振り込まれる

契約手続き完了後、指定口座に融資金が振り込まれます。入金までの期間として、申し込み完了から入金まで、最短でも1か月程度は見込んでおく必要があります。

【補足】金利はどのくらい?

新規開業資金の金利は以下のとおりです。

  • 基準金利:担保あり1.80%〜3.90%、無担保2.90%〜4.40%(税務申告を2期終えていない場合)
  • 特別利率:女性、35歳未満または55歳以上の方は特別利率が適用され、基準金利から0.4%優遇を受けられます。
  • 60歳以上:シニア起業家として特別利率の対象となり、より有利な条件で融資を受けられる可能性があります。

金利は融資額、返済期間、担保の有無によって決定されるため、詳細は申込時に確認してください。

出典:日本政策金融公庫「国民生活事業(主要利率一覧表)」

https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html

まとめ

自己資金なしでも創業融資を受けることは可能です。最も重要なのは、自己資金要件のない融資制度を選択し、事業計画の内容で審査を通過することです。

日本政策金融公庫の新規開業資金をはじめ、中小企業経営力強化資金、制度融資など、複数の選択肢があります。自己資金がない分、事業計画書の完成度と説得力が審査の成否を分けることになります。

また、自己資金を調達する方法も多数存在します。不動産などの現物資産、みなし自己資金、親族からの贈与、資産売却など、さまざまな選択肢を検討してみてください。

とくに、不動産を所有している方であれば、不動産担保ローンは有効な資金調達手段となります。

資金調達でお悩みの方は、ぜひワコーファイナンスの不動産担保ローンをご検討ください。自己資金なしでも最短2日でご融資可能、資金の使い道も自由です。静岡県・愛知県を中心とする地域密着型の金融会社で、安心のお取り引きをご案内いたします。

「スピード審査」も承っておりますので、お気軽にご活用ください。

ワコーファイナンスでは、
資金使途自由の不動産担保ローンをご検討中の方に向けてお試し診断を承っております。

 

本記事は正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性を保証するものではございません。
当該情報に基づいて被った損害については責任を負いかねます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

名古屋市 60代 女性 (売却中の不動産で融資)

アットホームな感じで、皆さん対応が良くて、安心して手続きができました。
審査もスピーディでした。
ありがとうございました。

担当者より
引っ越しも決まり、売却中との事で相談をいただきました。
売れるまでの間ですがよろしくお願いします。

静岡県 静岡市葵区 50代 男性 (事業資金)

修正申告をしたところ追加で所得税の支払いがあり、土地購入の資金繰りに困って相談しました。迅速かつ丁寧に対応して戴きありがとうございました。

担当者より
この度は当社を選んで頂きありがとうございました。
当社では不動産業者様への運転資金等の融資を積極的に行っております。
ご相談が多いものとしまして、今回同様に 不動産を仕入れる為の資金や競売での落札費用が有ります。その他にも建物のリフォーム費用や取り壊し費用などさまざまなニーズに対応しております。
その他、ご不安な事が有りましたらお気軽にご相談下さい。

神奈川県 横浜市戸塚区 60代 男性 (売却中の不動産で融資)

所有している不動産の解体費用等まとまったお金が必要になりました。売却 中でも借りられるところが無い かネットで検索していたらワコーさんを見つけました。相談してみたら対応が良かったのでワコーさん に決めました。

担当者より

この度は当社を選んで頂きありがとうございました。
相談時に資金使途などから借り入れが可能かご不安な様子でしたが、返済の計画等お話を頂き無事融資する事が出来ました。

静岡県 袋井市 70代 男性 (リフォーム資金)

住宅のリフォーム資金が必要で、前回利用したワコーさんに相談したところ、迅速に対応していただきました。

担当者より
お客様が来店時に工事請負契約書を持参していただいたので、早急に対応することができました。
再度のご利用ありがとうございます。

事業資金が急ぎで欲しい!調達方法や注意点などを解説

お役立ち情報 2025/09/16

サムネイル

売上の減少や売掛金の入金遅れなどで、資金繰りが急に苦しくなることもあるでしょう。そんなときに頼れる資金調達方法として、ファクタリング、手形割引、ビジネスローン、不動産担保ローンなどがあります。

ただし、自社にはどれが向いているか判断に迷う方も多く、急いで動くとリスクや注意点を見落としてしまいかねません。

この記事では、スピード感・金利・借入可能額といった視点から、急ぎの資金調達に向いている方法を紹介しています。調達時の注意点や融資可能額の計算方法も解説しているため、ぜひ一読ください。

事業資金を急ぎで調達する方法:資産売却編

急に資金が必要になったとき、これから入ってくる予定のお金を前倒しで現金化する方法があります。ここでは、即日〜数日で資金を得られる可能性が高い方法を紹介します。

ファクタリング(2社間)

ファクタリングとは、売掛金(取引先に対して請求できる未回収のお金)をファクタリング会社に買い取ってもらい、早めに現金化する方法です。借入とは違い、債権(相手にお金を請求できる権利)の売却という扱いになるため、信用情報に影響を与えない点がメリットです。

2社間ファクタリングは、自社とファクタリング会社の間だけで契約を行う方法です。取引先には知られずに資金を調達できるため、関係性を気にせず利用しやすいのが特徴です。申し込みから入金までのスピードも速く、最短即日で資金を受け取れる可能性があります。

ただし、ファクタリング会社は取引先に確認ができない分、リスクを取ることになるため、売掛先の信用力が重視されます。手数料も8〜18%とやや高めに設定されています。担保や保証人は不要ですが、コストとのバランスをよく見極めて利用することが大切です。

ファクタリング(3社間)

3社間ファクタリングは、自社・ファクタリング会社・売掛先の3者間で契約を結ぶ方法です。取引先に「売掛金はファクタリング会社に支払ってください」と通知し、ファクタリング会社が直接お金を回収する仕組みです。

未回収リスクが少ない分、手数料は2〜9%と比較的低めとなっています。コストを抑えて資金調達ができるのがメリットです。

ただし、売掛先の同意が必要なため、2社間ファクタリングと比較すると時間がかかる傾向にあり、即日入金が難しいケースもあります。信頼できる取引先がいる場合には、有効な資金調達手段として活用できるでしょう。

手形割引

手形割引とは、取引先から受け取った約束手形を、支払期日よりも前に銀行などに持ち込んで現金化する方法です。手形の支払いは通常2〜4か月先になることが多く、その間に資金が必要になった場合に活用できます。

銀行などの金融機関は、手形の信用度を確認したうえで、所定の手数料(おおよそ2〜15%)を差し引いた金額を即日または数日以内に支払ってくれます。支払期日になると、銀行が取引先から手形の金額を回収する仕組みです。

ただし、万が一振出人が支払い不能となってしまった場合、割引依頼人がその手形を買い戻す請求がなされる点には注意が必要です。利用前には、取引先の信用状態をよく確認しておきましょう。

また、紙の手形は2026年度末までの利用廃止に向けた取り組みがあり、将来的に資金調達方法として使えなくなる可能性があります。中小企業にとって、手形は資金繰りの負担になることが多いため、今後はよりスピーディーで安全な電子記録債権などの仕組みが広がっていくことが予想されます。

事業資金を急ぎで調達する方法:融資編

融資は返済義務があるものの、短期間でまとまった資金を確保できるのがメリットです。ここでは、急ぎの資金調達に向いている5つの融資方法、ビジネスローン、売掛債権担保融資(ABL)、信用保証付き融資、不動産担保ローン、プロパー融資を紹介します。

ビジネスローン

ビジネスローンは、個人事業主や中小企業向けに提供されている無担保の融資です。銀行やノンバンクなどで取り扱っています。

ビジネスローンは、事業目的での利用が条件で、仕入れや設備投資、運転資金など、幅広い用途に対応できます。ただし、生活費など私的な目的には使えません。

主な条件は以下のとおりです。

  • 融資額:50~1,000万円程度(事業規模や信用状況により1,000万円以上の上限)
  • 返済期間:1~10年ほど
  • 金利:年2.5~18%前後
  • 担保・保証人:原則不要

銀行系のビジネスローンは金利が低めですが、審査が厳しく融資までにやや時間がかかる傾向があります。一方、ノンバンク系はスピード重視で、早ければ申し込みから2日ほどで資金を受け取れる場合もあります。

急ぎで資金が必要な方にはとくに向いていますが、金利が高くなることもあるため、無理のない返済計画を立ててから申し込むことが大切です。

売掛債権担保融資(ABL)

売掛債権担保融資(ABL)は、自社が保有する売掛金を担保にして、金融機関から融資を受ける方法です。将来入る予定のお金を、先に資金として活用できる点が特徴で、ファクタリングと似た使い方ができます。

金融機関に売掛金の内容を提示し、取引先から確実に入金される見込みがあると判断されれば、売掛金の50〜80%程度まで融資が可能になります。ただし、金融機関や契約内容によって変動します。

  • 金利の目安:年2~10%程度
  • 返済方法:売掛金の入金時に返済

消費者向けの売掛金や、契約上「譲渡不可」となっている債権は対象外となります。また、契約手続きや報告資料の提出などの事務作業がやや多く、融資が実行されるまでに数日〜数週間と期間に幅がある点にも注意が必要です。

信用保証付き融資

信用保証付き融資とは、融資を受ける際に信用保証協会が保証人になってくれる制度です。「担保も保証人もいないけれど、事業資金を借りたい」という方にとって、頼もしい選択肢のひとつです。

具体的には、まず銀行や信用金庫などの金融機関に融資を申し込みます。その後、金融機関と信用保証協会がそれぞれ審査を行い、通過すれば融資が実行されます。

万が一、返済が難しくなった場合も、金融機関の請求により、協会は金融機関に対して代位弁済が行われるため、金融機関としてもリスクを抑えられ、借りる側にとっては融資を受けやすくなるメリットがあります。

ただし、信用保証を受けるには保証料の支払いが必要です。審査も2段階で行われるため、融資が実行されるまでに1〜2か月ほど時間がかかることもあります。

不動産担保ローン

不動産担保ローンは、不動産を担保にして資金を借りる方法です。担保を差し入れることで、無担保ローンに比べて高額の借入が可能な点や金利が低めに設定されている点が特徴です。

借入可能金額は、担保とする不動産の評価額によって決まり、一般的には評価額の60〜80%が目安になります。たとえば、不動産の評価が3,000万円であれば、1,800〜2,400万円程度まで借りられる可能性があります。

融資額は申込者の事業収入や返済能力などによって変動します。金利の目安は年2.5〜15%程度、返済期間は最大35年と長期で設定できるため、月々の負担を抑えたい方にも向いている方法です。

注意点としては、返済ができなくなった場合、担保にした不動産が差し押さえられ、売却される可能性があるということです。また、登記費用や手数料といった初期費用がかかり、融資が実行されるまでに数日〜数週間ほどかかることも想定しておきましょう。

こちらの記事では、土地担保で受けられる融資について解説しています。
メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

プロパー融資

プロパー融資とは、信用保証協会の保証をつけずに、銀行などの金融機関が自らの判断と責任で融資を行う方法です。この融資を受けられるということは、銀行からの信用がある証ともいえ、保証料がかからない分、コストを抑えて資金を調達できるのが魅力です。

金利の目安は年1〜3%ほどで、融資条件も銀行と直接相談しながら進められるため、柔軟な対応が期待できます。

ただし、審査は比較的厳しいです。たとえば、開業したばかりの方や、赤字決算が続いている場合は、融資を受けるのが難しい可能性があります。

また、担保や連帯保証人を求められるケースが多く、融資までにかかる時間も2週間〜1か月ほどと、やや余裕を持った対応が必要です。プロパー融資は、ある程度の売上実績があり、普段から銀行と良好な関係を築いている事業者におすすめの方法です。

事業資金を急ぎで調達する方法:そのほか

資金繰りが厳しくなったとき、銀行からの融資以外にも、身近な方法で資金を用意することは可能です。ここでは、比較的スピーディーに現金化できる3つの手段を紹介します。

家族や知人からの借入

家族や友人からお金を借りるのは、もっとも身近で手軽な方法のひとつです。審査もなく、過去の信用情報に関係なく貸してもらえる可能性があり、場合によっては当日中に資金を手にできます。利息がかからない可能性がある点や、返済スケジュールを柔軟に相談できる点もメリットです。

ただし、お金の貸し借りは人間関係に影響します。後々のトラブルを避けるためにも、借用書を交わし、金額や返済方法などを明確にしておくことが大切です。

また、貸し借りに関する取り決めを正式に記録するために、借用契約書を作成することも重要です。契約書には返済期限や利息の有無、万が一返済が遅れた場合の対応なども盛り込んでおくことで、双方の安心感を高め、将来的な誤解や争いを防げます。

資金繰り改善サービス

売上はあるのに、入金までのタイムラグで手元資金が不足しているときに便利なのが、資金繰り改善サービスです。

たとえば、売掛金を早めに現金化する仕組みや、仕入れの支払いを少し延ばせるサービスなどがあり、一時的なキャッシュ不足をカバーできます。上手に使えば、急場をしのぎつつ事業の流れを止めずにすみます。

定期預金・保険の解約

手元にすぐ現金が必要な場合、定期預金の中途解約や保険の解約という選択肢もあります。融資のような審査が不要で、手続きがスムーズに進めば数日で現金化できることから、スピード重視の資金調達に向いています。

ただし、定期預金は解約すると利息が減ることがあり、保険を解約すると将来の保障がなくなってしまう可能性があります。とくに、医療保険や生命保険は、解約後の再加入が難しいケースも多いため、あくまでも最終手段として慎重に判断しましょう。

いくら融資を受けられるかについて確かめる方法

事業資金を補いたいとき、自社がいくらまで借りられるのかは気になるところです。ここでは、融資可能額の目安を知るための方法を紹介します。

金融機関に聞いてみる

もっとも確実なのは、銀行や信用金庫などの金融機関に直接相談することです。事業の内容や売上、経費、現在の借入状況、自己資金の有無など、いろいろな情報をもとにどのくらいまでなら貸せるかを判断してくれます。

ただし、すべての金融機関がすぐに具体的な金額を教えてくれるとは限りません。なかには、すでに取引があるお客さまにしか詳しい話をしないところもあります。

自分で計算する

銀行が教えてくれない場合は、自分で事業の収支や借入状況を整理し、おおよその融資可能額を試算してみるのもひとつの方法です。あくまで参考程度ですが、無理のない資金計画を立てるための手がかりになります。

償還年数を基準にした計算

償還年数とは、今の事業の利益で借入金を何年かけて返済できるかを示す数字です。金融機関では、10年以内に返済できる範囲かを目安にすることが多いです。

以下の計算式で、おおよその融資可能額を出せます。

(税引後利益 + 減価償却費) × 10年 = 融資可能額の上限目安

より現実的に試算したい場合は、返済期間を5年や7年に設定して計算してみるとよいでしょう。

(税引後利益 + 減価償却費) × 5年 = 5年返済の場合の目安額

ただし、上記で出した金額はあくまでも目安です。実際の審査では、信用情報や自己資金の状況、既存の借入額、事業の安定性など、さまざまな要素が考慮されます。

経常利益を基準にした計算

経常利益とは、日々の事業活動によって安定して生み出されているかを示す数値です。たとえば、不動産の売却など一時的な収入は含まず、通常の営業から得られたもうけだけを指します。

経常利益をもとに、借入の目安額を出すときは、次のような計算が使われます。

過去3年間の平均経常利益 × 50% × 7年

この式は「毎年のもうけの半分を返済にあてたら、7年でどのくらい返せるか」という考え方です。

たとえば、3年間の平均経常利益が700万円だった場合は

700万円 × 0.5 × 7年 = 2,450万円

つまり、おおよそ2,450万円が、無理なく返済できる上限の目安となります。

金融機関が慎重に審査するときに使われる考え方なため、やや保守的な試算にはなりますが、現実的な返済可能額を知るには有効な手段です。

借入依存度を基準にした計算

借入依存度とは、事業全体の資金のうち、どれくらいの割合が借金によってまかなわれているかを示す指標です。割合が高いほど、返済リスクがあると判断され、新たな融資の審査が厳しくなる可能性があります。

一般的な目安は以下のとおりです。

  • 50~60%:健全
  • 60%以上:やや注意が必要
  • 70%以上:慎重な審査対象

自身の借入依存度は、次の式で計算できます。

借入依存度(%)= 借入金 ÷ 総資産 × 100

たとえば、借入金が1,500万円、総資産が3,000万円の場合

1,500万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 50%

上記のように数値化してみると、自分の事業がどれくらいの借入負担を抱えているのかが見えてきます。また、追加の融資をざっくり知りたい場合には、次の計算式が参考になります。

総資本 × 50% = 借入の上限目安

たとえば、総資本が4,000万円の場合

4,000万円 × 50% = 2,000万円

このように、おおよそ2,000万円までであれば、金融機関からも無理のない借入と判断されやすくなります。借りすぎを防ぐためにも、事前にこうした指標をチェックしておくことが大切です。

理想の融資を受けるためのポイント

融資は、いつでも希望通りの金額が借りられるとは限りません。金融機関の審査によっては、希望額より少ない金額しか借りられないケースや融資そのものが通らない可能性もあります。

しかし、あらかじめポイントを押さえて準備しておけば、より良い条件で融資を受けられる可能性が高まります。

ある程度自己資金を用意しておく

理想的な融資を受けるには、自己資金をある程度用意しておくことが重要です。まったく自己資金がない状態では「この人は返済できるのだろうか?」と金融機関に不安を与えてしまい、希望額に届かないことがあります。

目安としては、必要資金の1〜3割程度を自分で用意しておくと安心です。5割以上の自己資金があれば、さらに審査で有利に働くでしょう。

金融機関は、自己資金の金額を見ることで「この人は計画的に準備を進めてきた」「お金の管理がしっかりしている」と判断します。日々の積み立てやコツコツと準備してきた姿勢が、信用につながります。

入念に事業計画書を作る

融資を申し込む際に気になるのはいくら借りられるかですが、金融機関がもっとも重視するのは本当に返せるかどうかです。判断材料となるのが、事業計画書です。

事業計画書は、どのような事業を行っていて、どう利益を生み出していくのかを分かりやすく伝える資料です。金融機関は事業計画書を通して、事業への熱意や経験、今後の見通しを確認します。

信頼感を持ってもらうためには、単なる理想や希望だけでなく、過去の実績や具体的な根拠にもとづいた、現実的で説得力のある計画を示すことが大切です。また、返済についても余裕を持たせたスケジュールを提示することで、より安心してもらえるでしょう。

残債をできるだけ減らしたうえで申し込む

新たに融資を申し込む際は、すでにある借入状況が審査に大きく影響します。そのため、可能な範囲で残っている借金を減らしておくことが大切です。

金融機関は今の借入状況で、さらに貸しても大丈夫かを慎重に見極めるためです。現状の借入額が多すぎると、返済できるのか不安があると判断され、希望額より少ない融資になる、または金利が高くなる可能性もあります。

とくに、個人事業主の場合は、事業用の借入だけでなく、個人のローンやクレジットカードの利用状況、さらには税金・保険料の支払い状況までチェックされるため注意が必要です。

あらかじめ借入残高を整理しておくことで、お金の管理ができていると金融機関からも信頼されやすくなります。もし余裕があれば、一部を繰り上げ返済する、借入先をまとめるといった工夫も検討してみましょう。

事業が好調なときに申し込む

資金が足りなくなってから急いで融資を申し込むよりも、事業が順調に進んでいるタイミングで申し込んだほうが、よりよい条件で借りられる可能性が高くなります。資金に余裕があれば、金融機関も安心して検討しやすいためです。黒字決算や安定したキャッシュフロー、継続的な取引があるとプラスの評価につながります。

たとえ一時的に業績が落ちていても、最近の売上や受注の回復傾向を数字で示せれば、返済の見込みがあると判断され、審査が通りやすくなるケースもあります。将来のために備えておくという段階で融資枠を確保しておけば、いざというときに慌てず、落ち着いて対応できます。

即日で事業資金を調達する際の注意点

急な仕入れや支払いには、即日資金調達が便利ですが、手数料の高さや悪質業者に引っかかる可能性があるなどのリスクもあります。ここでは、即日で事業資金を調達する際に注意すべきポイントを解説します。

悪徳業者かどうかを見極める必要がある

「審査なし」「誰でもOK」「低金利」など、魅力的な言葉で誘ってくる業者にはとくに注意が必要です。なかには、融資保証金詐欺や見せかけだけのファクタリングで実質的に違法な貸し付けを行うケースもあります。

貸金業者は、貸金業法に基づいて、財務局長または都道府県知事の登録を受ける義務があり、登録番号を公式サイトなどで公開しています。

たとえば、不動産担保ローンを提供するワコーファイナンスのサイトでは、愛知県と静岡県の登録番号をホームページ内に記載しています。慌てて契約を決める前に、業者が正規登録されているか必ず確認しましょう。

見極め方1:金融庁の情報を参考にする

金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索サービス」では、業者の名前や所在地などを入力することで、正式に登録されているかどうかを調べられます。表示されない場合は、登録されていない可能性が高く、契約は避けたほうがよいでしょう。

出典:金融庁ウェブサイト「登録貸金業者情報検索サービス」

https://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/

見極め方2:日本貸金業協会の情報を参考にする

日本貸金業協会の「ヤミ金・悪質業者被害の実例検索」では、これまでに報告された被害事例を確認できます。

業者名や電話番号を入力して調べられ、自分が関わろうとしている業者に過去のトラブルがないかをチェックできます。事前に確認しておくと安心です。

出典:日本貸金業協会ウェブサイト「ヤミ金(悪質業者)の実例検索」

https://www.j-fsa.or.jp/personal/bad_contractor/search/

即日で調達できるとは限らない

「即日融資可能」とうたわれていても、実際には書類の不備や審査の進行状況によって時間がかかることも多く、必ずしも当日中に資金を受け取れるとは限りません。

たとえば、本人確認書類の提出が遅れる、または追加の収支説明を求められるといったことがある場合、手続きが長引いて即日融資は難しくなります。

とくに、銀行の融資は即日対応が基本的に不可能であり、即日対応が可能なのは主にノンバンク系や一部のビジネスローン業者に限られます。時間的な余裕がないときこそ、こうした点を理解したうえで、早めに準備を進めておくことが大切です。

金利や手数料が高い傾向にある

即日で資金を調達できるビジネスローンやノンバンク系の融資は、スピード感を重視できますが、金利や手数料が高く設定されていることが多いため、コスト面には注意が必要です。たとえば、金利は年2〜18%と幅があり、融資額の2%前後の事務手数料がかかるケースもあります。

たとえば、100万円を借りた場合でも、手数料で2万円が差し引かれ、手元に届くのは98万円です。さらに年利12%であれば、1年間で約12万円の利息が発生するため、実質的な負担は思った以上に大きくなります。

短期間の利用であれば資金繰りの助けになりますが、長く使い続けると返済負担が重くなり、かえって資金繰りが悪化するリスクもあります。利用前に無理のない返済計画を立てておくことが大切です。

土日や夜間は即日対応が難しい可能性がある

即日融資が可能なサービスでも、申し込む時間帯や曜日によっては、当日中に資金を受け取れないケースがあります。多くのビジネスローンでは、即日融資を希望する場合、午前中までの申し込みが条件となっており、午後の申し込みは翌営業日以降の対応になることが一般的です。

また、ウェブ上で手続きが完結するタイプの融資であっても、土日祝日や年末年始などは、審査や振り込み対応を行っていない業者も少なくありません。急ぎで資金が必要なときこそ、事前に営業時間や対応日をよく確認しておくことが重要です。

調達できる金額は低めである

即日で資金を調達できる方法はスピード重視の反面、調達できる金額が比較的少なめなことが一般的です。

たとえばビジネスローンでは、上限が300万円前後に設定されているケースが多く、1,000万円を超えるような大型の融資はあまり見られません。ただし、一部のビジネスローンでは1,000万円を超える限度額設定もあります。

また、ファクタリングや手形割引の場合も、売掛金や手形の金額から手数料が引かれるため、実際に手元に入る金額はさらに少なくなります。ある程度まとまった資金が必要なときは、ほかの資金調達方法もあわせて検討するのがおすすめです。

借入の場合は信用情報に影響を与える場合がある

借入は、信用情報に影響することがあるため注意が必要です。短期間に複数の融資を申し込むと、資金繰りが厳しいのではないかと判断され、次回以降の審査で不利になることがあります。

さらに、返済が滞ると異動情報(いわゆるブラックリスト)として登録され、5〜7年ほど新たな借入が難しくなる可能性があります。信用を守るためにも、無理のない金額と返済計画のもとで、慎重に利用することが大切です。

慌てずに資金を調達するためのコツ

資金が足りないことに気づいたとき、慌てて高金利の融資に頼る、または信頼できない業者を利用してしまうケースは少なくありません。

こうした事態を避けるためには、日ごろからお金の流れや在庫を把握しておくことが大切です。ここでは、急な出費があっても落ち着いて対応できるようにするための6つのポイントを紹介します。

資金繰りが悪化する前に資金調達を進める

資金調達は、必要に迫られてからではなく、余裕があるうちに始めるのが理想です。金融機関も、経営が安定している時期に相談を受けたほうが前向きに検討しやすく、好条件での融資につながる可能性が高くなります。

たとえば、黒字決算で資金にも余裕があるときに、あらかじめ運転資金の融資枠を確保しておけば、急な支出が発生しても慌てず対応できます。

ワコーファイナンスでは、資金使途自由の不動産担保ローンをご検討中の方に向けて
お試し診断を承っております。

キャッシュフローを管理する

安定した経営のためには、日々のお金の動きを把握することが欠かせません。売上があっても、手元に現金がなければ支払いができず、取引先との信頼を損なうおそれもあります。

そこで、重要なのがキャッシュフローの管理です。キャッシュフローとは、いつどれくらいのお金が入り、いつどれくらい出ていくのかを示すものです。

会計ソフトなどを使って資金繰り表を作成すれば、毎月の入出金が一目で分かるようになります。今月の資金が少し足りないかもという兆しに早めに気づけるため、落ち着いて対応できるようになります。

投資はキャッシュフロー内で行う

お店の改装や新しい設備の導入など、将来の成長を見据えた投資はとても大切です。ただし、売上が伸びるはずという見込みだけで大きな出費をすると、予想が外れたときに資金が足りなくなるリスクがあります。

投資を検討する際は、今のキャッシュフローのなかで無理なく対応できるかを確認しましょう。今ある現金以上の投資をしてしまうと、借入に頼ることになり、返済の負担から資金繰りが苦しくなる可能性も出てきます。

理想は、日々の営業活動で得られる利益の範囲内で投資を行うことです。無理なく、安心して経営を続けられるようになります。

不要な在庫を処分する

商品や資材などの在庫は資産の一部といえますが、売れていない間は現金にならず、いわば眠っているお金のようなものです。保管スペースをとるうえに、倉庫代などのコストもかかり、資金繰りを圧迫してしまうでしょう。

売れ残っている在庫は、値下げやセット販売などを活用して、できるだけ早めに現金化することをおすすめします。

在庫の回転率(どれくらいのスピードで売れているか)を定期的にチェックし、仕入れすぎを防ぐことも重要です。在庫がすっきり整理されると、お金の流れもスムーズになり、経営にゆとりが生まれます。

経費を削減する

資金繰りを安定させるには、売上を伸ばすだけでなく、毎月の支出を見直すことも大切です。たとえば、使っていないサブスクリプションサービスをひとつ解約するだけでも、年間で1万円以上の節約になる場合があります。

しかし、経費はやみくもに削ればよいというものではありません。お客さまの満足や売上につながる部分にはお金をかけつつ、無駄な出費を見つけて削減することがポイントです。日々の経費に少し意識を向けるだけで、着実に資金の余裕を生み出せます。

仕入先や販売先と交渉する

日々の資金繰りを少しでも安定させるには、お金の入りと出のタイミングを見直すことがポイントです。たとえば、仕入れ代金はすぐに支払っているのに、売上の入金が翌月末といった状態では、一時的に資金が足りなくなることも少なくありません。

仕入先に支払い期限の延長を相談してみる、または販売先に入金を早めてもらえるようお願いしてみましょう。もちろん、無理に要求するのではなく、相手との関係性を大切にしながら丁寧に話し合いを進めることが大切です。お互いに協力し合える関係が築ければ、自社に合った資金の流れをつくりやすくなります。

まとめ

急な支払いが必要になったとき活用できる資金調達方法には、主に資産売却系と融資系があります。資産売却系のファクタリングや手形割引は、売掛金や手形をすぐに現金化できるという利点があり、数日以内に資金を得られるケースもあります。

ただし、手数料が高めに設定されていることが多く、調達できる金額も手元にある資産の範囲に限られるといったデメリットもあります。

一方で、融資は返済の義務はあるものの、比較的まとまった資金を短期間で確保できるのが強みです。たとえば、ビジネスローンやノンバンク系融資では、即日融資が可能なケースもありますが、金利や手数料が高めで、借入額も300万円程度までと制限があるのが一般的です。

より大きな資金を必要とする場合には、不動産担保ローンという選択肢があります。担保を提供することで、低めの金利で高額融資が受けやすくなる点がメリットです。

愛知県や静岡県で融資をお考えの方は、ワコーファイナンスの不動産担保ローンをご検討ください。地域密着型の丁寧な対応と、スピード審査により、最短2日で融資が可能です。お試し診断も承っておりますので、お気軽にご活用ください。

 

本記事は正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性を保証するものではございません。
当該情報に基づいて被った損害については責任を負いかねます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

岐阜県 岐阜市 30代 男性 (不動産担保ローン)

不動産担保について 、担当の方が丁寧に説明してくれたのでスムーズに契約ができました。
ありがとうございました。

担当者より
地元の会社に相談したいと、当社を選んでいただきありがとうございました。
スピード対応を心がけており、お急ぎの資金に間に合い良かったです。
今後も何か あればすぐご連絡ください。

愛知県 豊橋市 70代 男性 (事業資金)

以前、 借りた事があり対応もよかったので今回もお願いしました。
早かったです。

担当者より
当社を思い出していただきありがとうございます。
前回同様、事業計画がしっかりとされていました。
希望日に間に合い良かったです。

ファクタリングの乗り換えは問題なし!メリット・デメリットや注意点も解説

お役立ち情報 2025/08/28

サムネイル

「手数料が高い」「入金までに時間がかかる」と感じながら、今のファクタリング会社を使い続けている方もいるのではないでしょうか。

実は、ファクタリングの乗り換えは原則として可能です。手数料の削減や、より高額な債権の買取に対応してくれる会社もあり、条件を見直すだけで経営が軽くなるケースも少なくありません。
この記事では、ファクタリング乗り換えの可否やメリット・デメリット、具体的な手順、注意点をわかりやすく解説します。

ファクタリング利用中の他社乗り換えは原則OK

ファクタリング契約は「債権譲渡」にもとづく契約であり、民法上も債権の譲渡は自由にできます。ただし、いくつかのケースでは乗り換えが認められないケースもあるため、事前の確認が必要です。

それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。

乗り換えOKのケース

他社への乗り換えは、すでに売却していない別の売掛金がある場合に可能です。ファクタリングは売掛金ごとに契約を結ぶ仕組みです。

そのため、まだ売却していない売掛金を他社に提示すれば、重複や違法行為にはなりません。つまり「新たな売掛金があるかどうか」が、乗り換えの可否を判断する基準になります。

乗り換えNGのケース

すでに売却済みの債権を他社に再度持ち込む行為は「二重譲渡」となり違法です。このような場合は、乗り換えできません。

また、請求書を発行していないような、契約上まだ売掛債権として確定していない「将来債権」は、対応しないファクタリング会社が多く、実質的に乗り換えできないケースもあります。

他社の条件が魅力的に見えても、売却可能な債権がなければ契約できません。事前に売掛金の状態や契約内容をしっかり確認しましょう。

ほかの方法からファクタリングへの乗り換えは場合による

ファクタリングへの乗り換えが可能かどうかは、現在利用している資金調達手段によって対応が異なります。とくに、借入型の手段を利用している場合は事前に確認すべき点も多く、慎重な判断が必要です。

ビジネスローンからファクタリングへの乗り換えはOK

ビジネスローンを利用していても、ファクタリングへの乗り換えは基本的に可能です。乗り換えを検討する際は、借入時期や残高など現在の借入状況にも配慮したうえで申し込むのが望ましいでしょう。

銀行融資からファクタリングへの乗り換えは要確認

銀行融資を受けている場合は、契約内容にほかの資金調達を制限する条項がないか必ず確認しましょう。

なぜなら、銀行によっては契約でファクタリングを含む別の資金調達を禁止しているケースがあるためです。また、すでに売掛金を担保にして融資を受けていると、ファクタリングに利用できません。

ファクタリング会社乗り換えの流れ

ファクタリング会社の乗り換えは、基本的に初回利用時と同じ手順で進みます。とくに特別な手続きは必要なく、以下のような流れでスムーズに進められます。

1.乗り換え先のファクタリング会社を選ぶ
2.メールや電話で相談し、申し込む
3.必要書類を提出して審査を受ける
4.契約締結後、資金が入金される

乗り換えは比較的簡単な手続きで進められることが多いですが、事前に必要書類や契約内容を確認することが重要です。

なお、すでに売却した売掛債権を重複して使わない限り、複数のファクタリング会社を同時に利用することも可能です。まずは気軽に相談し、自社にとって最適な乗り換えの可能性を探ってみましょう。

ファクタリング会社乗り換えのメリット

ここでは、ファクタリング会社の乗り換えによる3つのメリットを紹介します。

手数料や諸経費を抑えられる

手数料の安いファクタリング会社へ乗り換えることで、資金調達にかかるコストを大幅に削減できる可能性があります。

たとえば、現在8%の手数料がかかっている場合でも、乗り換え先によっては4%に抑えられるケースも少なくありません。一見わずかな差に見えても、500万円の売掛債権を資金化する際には20万円のコスト差になります。

このようなコスト削減は、資金繰りの改善にも直結します。条件のよい会社への乗り換えは、有効な選択肢といえるでしょう。

資金調達のスピードを早められる

ファクタリング会社によって、資金調達までにかかる時間を短縮できる可能性があります。審査後すぐに資金化できる点はファクタリングの魅力ですが、実際の対応スピードは会社ごとに異なります。

事業の運転資金をすぐにでも確保したい場面では、1日の違いが経営を左右するケースもあります。より迅速な対応が期待できる会社への乗り換えは、スピードを重視したい方にとって有効な選択肢です。

買取限度額を増額できる

現在利用中のファクタリング会社では対応できない高額な債権も、乗り換えによって買取可能になるケースがあります。

たとえば、一部のファクタリング会社は事業規模やリスク管理の観点から、買取額に上限を設けている場合があります。実績豊富な大手ファクタリング会社であれば、1件あたり数千万円規模の債権に対応しているケースもあり、複数の売掛先の債権を一括で買い取ってもらえる可能性もあります。

ファクタリング会社乗り換えのデメリット

ここでは、ファクタリング会社を乗り換える際に考慮すべき主なデメリットを3つ紹介します。

一から信頼関係を築き直さなければならない

ファクタリング会社を変更すると、それまでの取引履歴や信頼関係は引き継がれません。とくに2者間ファクタリングでは、売掛先だけでなく、利用者自身の信用も重視されます。新たな会社との取引では、書類の正確な提出や丁寧な連絡対応が求められます。

書類を作り直さなければならない

これまで利用していた会社であれば、過去の取引履歴や提出済みの資料があるため、追加の手続きは最小限で済みます。しかし、新しい会社では初めての審査となるため、決算書や請求書などすべてを用意し直さなければなりません。

審査に時間がかかりやすい

新しいファクタリング会社では、取引実績がない状態から審査をするため、手続きに時間がかかる場合があります。

とくに、早急な資金調達が必要な状況では、審査の遅れが資金繰りに悪影響を及ぼすリスクもあります。そのため、事前に審査スピードを確認し、スケジュールに余裕を持って相談しましょう。

こちらの記事では、不動産担保で受ける融資について解説しています。メリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

ファクタリング会社乗り換えの検討をおすすめするケース

ここでは「乗り換えた方がいいのか迷っている」という方に向けて、乗り換えを検討すべき代表的なケースを紹介します。

手数料や諸経費が高い

ファクタリングの手数料は会社ごとに差があり、数%の違いでも手元に残る金額が大きく変わります。現在の手数料が高いと感じる場合は、より条件のよい会社へ乗り換えると、資金調達のコストを抑えられる可能性があります。

買取可能金額が低い

ファクタリング会社には、対応可能な買取額に上限があります。小規模なファクタリング会社では、買取可能額が数百万円にとどまるケースも珍しくありません。一方で、大手であれば、1億円以上の債権にも対応可能な場合があります。

必要な資金を確保できない状態が続くと、資金繰りの悪化や事業機会の損失につながるおそれがあります。そのため、買取上限の高い会社への乗り換えは、有効な対策といえるでしょう。

入金が遅い

ファクタリングの大きなメリットは、迅速に現金化できる点です。しかし、入金までの日数はファクタリング会社によって異なります。

資金化までのスピードに不満があるなら、スピード重視の会社へ乗り換えると改善が期待できます。

担当者の対応が悪い

スムーズな資金調達には、担当者との信頼関係が欠かせません。対応が遅い、相談に真摯に応じない、連絡が途絶えやすいといった場合は、業務に支障が出るだけでなく、精神的な不安も増します。

実績豊富な会社であれば資金調達だけでなく、今後のキャッシュフローについても相談に応じてくれるため、安心して取引を進められます。

債権譲渡登記が必須

債権譲渡登記とは、売掛金などの債権を第三者に譲渡する際、その情報を公的に記録する手続きです。登記を行うことで、債権の譲渡が法的に有効となり、第三者に対してその権利が明確に主張できます。

一部のファクタリング会社では、債権譲渡登記を義務付けており、この場合は追加で数万円から十数万円の費用が発生します。また、登記によってファクタリングの利用が売掛先に知られるリスクもあります。

取引先への影響やコスト負担を避けたい場合は、登記不要で契約できる会社へ乗り換えを検討するとよいでしょう。

乗り換え先の比較検討で見るべきポイント

ファクタリング会社を乗り換える際は、以下のポイントを押さえて比較しましょう。

・サービス内容
・手数料
・諸経費
・売却できる債権の種類
・債権買取額の上限と下限
・現金化までの日数
・ファクタリング会社の実績 など

事業規模や資金調達の目的に応じて、最適なファクタリング会社は異なります。たとえば、急ぎで資金が必要な場合は、審査のスピードや少額取引への対応可否を重視しましょう。

一方、大口の債権取引や継続利用を視野に入れるなら、買取上限額の高さや契約の柔軟性が選定のポイントになります。費用を抑えたいなら、基本手数料の安さに加えて、長期利用割引や早期入金割引の有無を確認するとよいでしょう。

複数の視点から総合的に比較することで、自社にとって最適な乗り換え先を見つけやすくなります。

ファクタリング会社乗り換えの注意点3つ

ここでは、トラブルを避けるために押さえておいてほしい3つのポイントを紹介します。

二重譲渡は厳禁

最も注意すべきなのが、同一の売掛債権を複数の会社に売却する「二重譲渡」です。同じ債権で見積もりを取るのは問題ありませんが、すでに売却済みの債権を再度使って資金調達を行うと、横領罪や詐欺罪に問われる可能性があります。

二重譲渡が発覚すると、社会的信用に大きな影響を及ぼし、事業に支障をきたす可能性があります。契約は必ず1社に限定しましょう。

複数社・複数回の乗り換えは審査で不利になる可能性

ファクタリング会社を乗り換える際は、毎回審査が必要です。複数の会社に同時申し込みをしたり、短期間に何度も乗り換えたりすると、信用力に疑問を持たれ、審査で不利になる場合があります。

信用を守るためにも、乗り換えは必要最小限にとどめ、計画的に進めることが大切です。

悪徳業者にも注意

乗り換え先のファクタリング会社が信頼できるかどうかは、資金繰りに直結する重要な要素です。なかには、法外な手数料の請求や違法に近い取引を持ちかけてくる悪質業者も存在します。

事前に公式サイトや口コミ、第三者の評価なども確認し、安心して取引できるファクタリング会社かどうかを慎重に見極めましょう。

ワコーファイナンスでは、ご融資の可否を確認できるお試し診断をご利用いただけます。

まとめ

ファクタリング会社の乗り換えは、資金繰りを改善するための有効な手段です。手数料や契約内容、対応の速さなどは会社によって異なるため、より条件のよい会社へ乗り換えることで、経営の負担を軽減できる可能性があります。

ただし、乗り換えを成功させるには、単にコストだけを見るのではなく、企業の信頼性や対応の丁寧さ、資金化までのスピードも含めた総合的な視点が必要です。

地域密着型の金融会社であるワコーファイナンスは、静岡県・愛知県を中心に不動産担保ローンを提供しています。資金使途自由・スピード審査により最短2日での融資が可能です。

すぐに結果が分かるお試し診断も承っております。不動産担保ローンに関するご相談はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

本記事は正確な情報を掲載するよう努めておりますが、
情報が古くなったりすることもあり、必ずしもその内容の正確性を保証するものではございません。
当該情報に基づいて被った損害については責任を負いかねます。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

豊橋市 50代 男性 (法人・個人事業主向け融資)

納税猶予の期限が迫っているなか、取引先からの入金に時間がかかるとのことで資金繰りに悩んでいたところワコーファイナンスさんのホームページが目にとまり相談させて頂きました。迅速に対応いただき支払期限に無事間に合いました。

担当者より
決算書類等スムーズに用意していただき、融資まで最短で行うことができました。ありがとうございました。

 

次のページ »

融資エリア:静岡県、愛知県、岐阜県、三重県、神奈川県、山梨県

契約内容をよくご確認し、収入と支出のバランスを大切に。無理のない返済計画を。

返済等でお悩みの方は、日本貸金業協会貸金業相談・紛争解決センター0570-051-051(受付時間9:00~17:30 休:土、日、祝日、年末年始)

このページのトップへ

ワコーファイナンスグループ

和光商事株式会社
電話:0538-43-5521 
愛知和光商事株式会社
電話:052-853-1668 登録番号 愛知県知事()第00159号 日本貸金業協会会員第002456号
静岡和光商事株式会社
電話:054-280-1681 登録番号 静岡県知事()第00057号 日本貸金業協会会員第002460号
和光開発株式会社
電話:053-458-0505 登録番号 静岡県知事()第00351号 日本貸金業協会会員第002458号
メニュー
このページのトップへ