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不動産投資でフルローンは可能?メリット・デメリットなどを解説

お役立ち情報 2025/07/17

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不動産投資を始める際、最初のハードルとなるのが資金の確保です。自己資金が少ない場合「フルローンを利用できないか」と検討する方もいるのではないでしょうか。フルローンとは物件価格の全額を融資でまかなう方法です。

本記事では、不動産投資におけるフルローンの基本やメリット・デメリットについて解説します。自己資金に不安がある方や、フルローンを活用した不動産投資を検討している方は、参考にしてください。

不動産投資のためにフルローンは組める?

不動産投資においてフルローンを組むことは、理論上は可能です。ただし、実際には金融機関の審査基準や諸条件をクリアする必要があり、誰もが簡単に利用できる方法ではありません。

フルローンによる不動産投資の魅力は、自己資金をほとんど使わずに投資を始められる点にあります。一方で、返済負担が大きくリスクも高くなります。

不動産投資におけるフルローンは、メリットだけではなく、デメリットについても理解したうえで検討しましょう。

フルローンとは?

フルローンとは、不動産の物件購入価格の全てを金融機関からの融資でまかなう資金調達方法です。不動産ローンは、購入価格の一部を自己資金(頭金)として用意するのが一般的ですが、フルローンでは頭金なしで物件を取得できます。

通常、不動産を購入する際、物件価格の10〜30%を頭金として支払い、残りの70~90%をローンで借りるケースが多く見られます。これに対し、フルローンでは頭金が不要となるため、自己資金を使わずに不動産投資を始められるのが特徴です。

ただし、金融機関によって評価額や審査条件が異なるため、フルローンであっても、自己資金が一切不要になるとは限りません。銀行の評価額が物件価格を下回る場合や、登記費用・税金などの諸費用は、自己資金が必要になるケースが一般的です。

不動産投資のためにフルローンを組むデメリット

フルローンで不動産投資を行うには、主に以下のようなデメリットがあります。これらを十分に理解したうえで、慎重に判断することが大切です。

返済の負担が大きい

フルローンでは物件価格の全額を借り入れるため、返済額が大きくなります。通常のローンに比べ月々の負担が重くなり、キャッシュフローがマイナスになるリスクが高まります。

たとえば、3,000万円の物件を購入する際、頭金20%を用意して通常ローンを組んだ場合とフルローンで借り入れたときのローン返済額を比較してみましょう。以下は、3,000万円を固定金利3%、35年返済でローンを組んだケースです。

  通常ローン(頭金あり) フルローン
借入額 2,400万円(頭金600万円) 3,000万円
月々の返済額 約9.2万円 約11.5万円

頭金を準備した通常ローンと比較すると、フルローンとの間に約2.3万円の差が生じます。この差額が家賃収入を上回ると、毎月の収支が赤字になるおそれがあります。

さらに、空室リスクや修繕費などの予期せぬ出費があれば、資金繰りが一気に悪化しかねません。土地を担保に追加融資を受ける選択肢もありますが、それにより返済負担が重くなっていきます。

こちらの記事では、土地担保について解説しています。融資を受ける仕組みやメリット・デメリットも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

金利が上昇する可能性がある

フルローンで借入額が大きい場合、金利上昇の影響をより大きく受けます。たとえば、金利が1%上昇しただけでも、毎月の返済額や総返済額は大幅に増加します。

また、フルローンは金融機関にとってリスクの高い融資形態であるため、通常のローンよりも金利は高く設定される傾向です。さらに、不動産ローンの多くは変動金利のため、将来的に金利が上昇すれば返済額も増加し、キャッシュフローの悪化を招く可能性があります。

家賃収入が変わらないなかでローン返済額だけが増加すれば、収支が圧迫されるリスクが高まります。

諸経費は借入不可

不動産取引では、物件価格以外に以下のような諸経費が発生します。

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • 消費税(新築の場合)

一般的に諸経費の目安は物件価格の3~9%とされており、3,000万円の物件であれば、90〜270万円の自己資金が必要です。フルローンではこれらの諸経費は融資対象外となるため、別途自己資金で準備しなくてはなりません。

そのため「完全な自己資金なし」での不動産投資は現実的ではなく、ある程度の資金は不可欠です。

金融機関の審査が厳しい

フルローンは金融機関にとってリスクが高いため、通常のローンよりも審査が厳しくなります。融資を受けるには、安定した高収入や良好な信用情報、担保価値の高い物件など、複数の条件をクリアしなければなりません。

とくに、以下の内容を慎重に審査されます。

  • 返済能力
  • 過去の返済履歴にもとづく信用情報
  • 物件の収益性と担保価値
  • 職業の安定性

ひとつでも条件を満たせなければ、融資を受けられないもしくは金利が高く設定される可能性があります。さらに、フルローンの融資実績がある金融機関は限られているため、選べる金融機関が少ない点も注意が必要です。

ワコーファイナンスでは、資金使途自由の不動産担保ローンをご用意しております。お試し診断も承っておりますので、ぜひご利用ください。

不動産投資のためにフルローンを組むメリット

フルローンにはデメリットだけでなく、投資戦略によっては大きなメリットをもたらす可能性もあります。主なメリットは次のとおりです。

手元に資金を残せる

フルローン最大のメリットは、自己資金をほとんど使わずに不動産投資を始められる点です。これにより、手元資金を他の用途に活用できます。

たとえば、1,000万円の自己資金がある場合、通常のローンであれば約3,000〜4,000万円の物件しか購入できません。しかし、フルローンであれば、1,000万円を手元に残したまま同等の物件に投資できます。手元資金は空室対策や修繕費用、急な支出への備えにも活用可能です。

さらに、分散投資の観点でも有効です。不動産に全資金を投入するのではなく、余剰資金を株式や債券といった別の資産に配分することで、リスクを分散できます。

投資効率が上がる

そもそも不動産投資は株式やFXのような金融投資とは違い、投資用ローンを利用できる点が大きな強みです。フルローンは不動産投資の長所を最大限に活用しているといえるかもしれません。

借入によって自己資金のみの運用よりも大きな収益を得ることは「レバレッジ効果」と呼ばれ、投資効率の向上に繋がります。たとえば、自己資金2,000万円で利回りが7%の物件を購入した場合、年間収益は140万円です。そこにレバレッジを効かせ、3,000万円の借入(固定金利3%、35年返済)で5,000万円の物件を購入すると、借入の返済額を差し引いても約212万円の収益となります。自己資金に対する投資効率で考えると、約1.5倍も収益が増加した結果になります。

上記はあくまで単純化した計算であり、また、投入した自己資金に基づいた計算となるため、フルローンの場合の倍率を出すことはできませんが、レバレッジ効果が絶大であることはお分かりいただけるでしょう。

ただし、先述した通り、借入額が多いほど返済の負担も大きくなるため、逆にキャッシュフローがマイナスになる可能性もあります。フルローンが必ずしも投資効率を上げるわけではないことに注意しましょう。

フルローンが組みやすくなるポイント

フルローンのメリット、デメリットを把握したうえで、実際にフルローンを利用したいとなった場合、以下の3つのポイントを押さえることで融資の可能性が高まります。

販売価格より銀行評価の高い物件を選ぶ

金融機関は購入する物件の価値を独自に評価し、その評価額にもとづいて融資額を決定します。販売価格よりも銀行の評価額が高い、もしくは同等の物件を選ぶことで、フルローンの審査に通る可能性は高まるためです。

たとえば、販売価格が3,000万円であっても、銀行の評価額が3,300万円であれば、評価額の約90%、3,000万円の融資でも実質的にはフルローンとなります。

銀行評価が高くなりやすい物件には、以下のような特徴があります。

  • 駅近や交通の便が良い立地
  • 人口増加エリア
  • 再開発が進む地域
  • 賃貸需要の安定した地域

物件選びの際は金融機関の評価基準を理解し、担保価値の高い物件を見極めることが重要です。

高収入・社会的信頼性の高い職業に就いている

フルローンが組みやすくなる理由のひとつに、安定した収入と社会的信頼性の高い職業に就いていることが挙げられます。

金融機関は融資の審査において、返済能力の高さや継続的な収入が見込めるかを重視するため、雇用の安定性や収入の継続性が確認できる場合は評価が高くなります。

また、社会的信用がある職業は、返済遅延のリスクが低いと判断されやすく、審査全体で有利に働きます。このような属性を持つことで、金融機関からの信頼度が上がり、フルローンの承認につながりやすくなります。

不動産投資経験が豊富である

すでに複数の投資物件を所有し、安定した返済実績もある場合、金融機関からの信頼が高まるためフルローンが承認されやすくなります。

とくに、返済の遅延がないことや適切な管理、キャッシュフローの維持などの実績があれば、フルローンを認められる可能性が高くなります。

初めての不動産投資でフルローンを組むのは簡単ではありません。まずは自己資金を使って1棟目を取得し、その実績をもとに2棟目以降でフルローンに申し込む、段階的なアプローチがおすすめです。

まとめ

不動産投資において、フルローンを利用することは可能です。自己資金が少なくても投資を始められる点や、レバレッジ効果を最大限に活かせる点はメリットです。

一方、返済負担の大きさや金利上昇リスク、諸経費の別途負担、そして厳しい金融機関の審査といったデメリットもあります。とくに、借入額が大きくなることで、キャッシュフローが悪化しやすく、空室や家賃下落、金利上昇といった不測の事態に対する耐性が弱まる点は認識しておきましょう。

フルローンを検討する際は、自身の経済状況や信用情報、物件の収益性などを総合的に判断し、無理のない投資計画を立てることが重要です。また、完全に「自己資金ゼロ」での投資は、諸経費の関係で現実的ではなく、一定の準備資金は必要になります。

自己資金が少なくても不動産投資をあきらめたくない方は、ワコーファイナンスのご利用をご検討ください。静岡県・愛知県を中心とする地域密着型の金融会社で、安心のお取り引きをご案内いたします。

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